これが正解!固形肥料の使い方

固形肥料、間違った使い方してる人多し

基礎的なことを最初に勘違いして覚えてしまうとなかなか正しい知識に上書きされません。
いっそ全く間違っているなら「私、なんか変」となりますが、少しの誤りなら絶対自分では気が付かないものです。
ガーデニングや家庭菜園歴が長くても、固形肥料の使い方を間違っている人がとても多い。
固形肥料を間違って使うと効きが悪く使う量ばかり増えてしまいます。
「この固形肥料、イマイチだわー!」って時は使い方を見直してみましょう。

固形肥料とは何ぞや?

固形肥料とは何?
肥料三要素、窒素・リン酸・カリをメインにあと何やら土によさげな有機物を丸めて粒状、タブレット状にしたヤツが固形肥料です。
白い化成肥料の粒々をすぐに連想すると思いますが、油かす肥料などの有機肥料も固形肥料。
肥料三要素の比率やよさげな有機物が何かとはは置いといて、その肥料が液体でさえなければ固形肥料です。

固形肥料が効く仕組み

固形肥料と土。
固形と固形を並べていても本来は何の変化も起こりません。
両者を取り持つ役目をするものがあるから固形肥料は土を経て植物に届くのです。

固形肥料が化成肥料ならそれは「水」、有機肥料なら「水と微生物」です。
固形肥料が効く、効かないを決めるのは水分。
有機肥料は微生物さえいれば分解されるんじゃないの?と思いがちですが、サッラサラの乾燥した培養土に油かす肥料を混ぜておいてもいつまでもそのままです。
微生物がいるはずの土でも、全く水分がなければ有機肥料も効きません。

固形肥料の効き目は、水分を含んだ土とどれだけ接しているかで決まります。
固形肥料は水分を含んだ土と接することによってゆっくりと溶け、植物の根に吸収されるのです。

追肥は5cm掘って埋める

苗を定植するときに、苗を入れる穴を掘って土と馴染ませておく肥料が元肥。
その元肥が切れる頃に、追加して与える肥料が追肥です。
追肥は開花や結実を支える役目なのでちゃんと効いてくれないと意味がない。
なのに追肥にする固形肥料の土への埋め方が浅すぎると、乾燥したまま溶けださないので全く効きません。
深く掘ると根を傷めると思ってしまうのか、土の表面から2cm程度に埋めてしまう人が多い。
でも表面2cmの土が湿っているのは水やり直後だけなんです!
固形肥料は土とともにすぐに乾燥してしまいます。
これでは追肥の意味がなく、結果的に肥料をやっていないのと同じ。
元肥が切れた時点で肥料切れとなります。

追肥として固形肥料をやる場合は、地表から5cm程度の深さに埋めて下さい。
そうすることによって、一定濃度の栄養分が常に土に溶けだし、根にも吸収されます。

置き肥には理由がある

敢えて土の表面か、地表のすぐ下に固形肥料を置く「置き肥」という固形肥料のやり方があります。

観葉植物や盆栽など、肥料の栄養分を少しずつ与えたい植物には置き肥で対応します。
生長は終わっており、この後大きく育ってほしくない場合には、栄養分が溶けだしにくい置き肥が最適なやり方となります。

盆栽は小さく育てることに価値があるので、必要最小限の栄養分を与えるために、盆栽教室では肥料は必ず置き肥にするべきと指導されました。
有機肥料であっても置き肥なので肥料にカビが生えますが、プロにお聞きするとそれで構わないそうです。

買ったポット苗にも種苗会社が育苗中に使っていた置き肥が残っている時があります。
種苗工場ではポット苗の土全体を常に湿らせているので、置き肥であっても良く効く環境が整っているからです。
底面給水鉢で常に土が濡れているシクラメンにも置き肥が使われることがあります。

置き肥をする場合は、根っこが広がっている場所の地表に置きましょう。
そして必ずその場所の土が湿るように水やりして下さい。
種苗工場や底面給水鉢でないかぎり、置き肥には水やりの水が頼りです。
水のかからないプランターの縁に置き肥をしても、何の意味もありません。

固形肥料と土を馴染ませよう

液肥は均一に土に吸収されますが、固形肥料はそうはいきません。
固形肥料が固まらないように、一粒一粒バラバラになるように土と馴染ませて下さい。
苗の片側だけに肥料を入れず、周囲に均等に埋めること。
埋める時は根に直接肥料の粒が触れないように注意してください。

苗の周囲に埋める

水やりは周囲の土まで

固形肥料を深く苗の周囲に均一に埋めることによって、驚くほど効きに違いがでます。
固形肥料は液肥ほど即効性はありませんが、このやり方にすると効き始めるまでの時間も短くなります
少量でも良く効き、キレイに溶けて残留することもありません。
液肥はとても手軽ですが、散水ホースで水道栓から直接水やりするなら固形肥料のほうが楽だと思います。

花にも野菜にも欠かせない肥料。
ぜひ無駄なく楽に使いこなしましょう。