新鮮な白菜でも切り口は盛り上がる

いい加減な野菜の常識ってあるよね

「新鮮な野菜を見分けるコツ」みたいな豆知識がネット上には無数にあります。
実際を知らない人が単なるネタとして次々と転載するので、まともに信じてはいけないものもある。
冬場になるとよく見かける「古い白菜は切り口が膨らんでいる」もその一つです。
毎年家庭菜園で白菜を育てているものとして、ここは反論しておかねばとマウスを握りました。
新鮮な白菜でも断面は膨らみます。
新鮮なよく出来た白菜だからこそ切り口が膨らむことがあるのです!

今朝収穫した白菜で盛り上がるか実験

これは今朝収穫した白菜です。
白菜シーズンも後半なので、ぎっちり葉が詰まってとても重いです。

プランターバッグで白菜栽培

「美味しい白菜は芯が500円玉くらい」っていうええ加減な豆知識広げる人もどうなの?
品種にもよるし、畑で保存していたら冬でも成長して芯は太くなります。
白菜だって生き物です!

その分葉が増えてんだよ!

採りたての新鮮な白菜を切ってみる

採って数時間の白菜をカットします。
白菜を育てていて、新鮮な白菜を一個丸ごと扱うのに慣れた人なら知ってますよね。
よく葉が詰まった白菜は、包丁で切り目をいれたらあとは自分で裂けていく!

新鮮だからこそ!

ぎっしり詰まった葉が解放されて、二つに割った瞬間から白菜の断面は盛り上がり始めます。

自分で弾ける感じで切れる

上の写真は切った直後。
ぎっしり折りたたまれていた白菜の内側の葉が解放され、みるみるうちに断面が膨らんでいきます。
新鮮でずっしり重い、よく葉がついた美味しい白菜だからこそ、白菜の断面は盛り上がっていくのです。

もう断面は合わない

白菜の真ん中が盛り上がっているので、もう断面は合わなくなっています。
採って数時間、カットして数分。
文句なく新鮮な白菜でも切った断面は膨らんで盛り上がるんです!

新鮮な白菜と古い白菜の盛り上がり方の違い

古い白菜も確かに断面は盛り上がります。
盛り上がっている新鮮な白菜と古い白菜のはどうちがうのでしょうか?

新鮮な白菜

葉がぎっしり巻いた白菜の断面が盛り上がるのは、内側の葉が広がろうとするため。
それにつられて白い葉脈部分も持ち上がって膨らみます。
一番膨らんでるのは、赤丸の部分と」なります。

古い白菜の断面が膨らんでいるのが下の写真です。

古い白菜の典型

古い白菜の断面が膨らむ原因は、中心部の葉が外葉の水分と養分を奪って成長してしまうから。
断面をよくみると膨らんでいるのは中心部の根元付近です。

新鮮な白菜の断面が膨らむ場合は全体的に切り口が盛り上がっていますが、古い白菜は中心だけが目立って膨らみます。

美味しい白菜を選ぶために

白菜は収穫期間が長い野菜なので、収穫時期によって成長の度合いが違ってきます。
出始めの白菜は葉の巻きが緩く、フワフワしてレタスっぽいものが多い。
季節が進むとがっつり成長し、葉がギチギチにまいた重い白菜になります。

野菜の常識は当てはまるものもあれば、何を根拠にこんなこと言っているんだろうというものがあります。
確かに古い白菜の断面も膨らみますが、シーズン後半はそうでないものが多い。
新鮮で美味しい白菜だからこそ断面が膨らんでいるのです。
スーパーで断面が膨らんで美味しそうな白菜が脇に除けられてしまっているのをみると悲しくなります。
断面が膨らんでいるからこそ美味しい白菜がある。
膨らんでいる箇所をよく観察してみて下さいね!