根の再利用でエンドレスネギの栽培方法

ネギは一生の友

家庭菜園をやってみたいけど何から始めたらいいかな?
私はこの質問を受けるとネギ栽培をおススメしています。
けれど大抵「いやもっと華やかなやつやりたい」という返事が返ってくる。
わかる、わかります。生活感ありすぎてネギじゃインスタにあげれんもん。

「ネギ」
日本人の食卓にこれほど役に立つ野菜もちょっとない。
日本食なら毎食何かしらネギの小口切りを添えると引き立つおかずがあるはずです。
私はインスタントラーメンであっても刻みたてのネギを山盛り入れるだけでテンションが上がります。
冥加、紫蘇、生姜、そしてネギ。
私はこれを薬味四天王と呼んでいますがこのなかで一番手に入りやすいのがネギ。
ネギは見た目はパッとしませんが食卓を豊かにしてくれているのです。
私は高齢になってもネギ栽培だけは諦めない。
ネギ栽培は家庭菜園の最初の一歩であり最後の一歩だと信じています。
ネギはご飯の一生の友だち。
ネギ栽培、早速始めようじゃありませんか。

まずはスーパーで細ネギを買う

ネギネギいってますが私のいうネギは葉ネギのこと、冬場に出回る白ネギではありません。
栽培はスーパーで根付きのネギを買い、食べた残りの根を植えるところから始まります。
もちろん種からでも育ちます。
私も種からの栽培を何回かやりましたが手間と時間がかかる。
ネギは絶対食べた残りの根を植えて育てるべきものです。

食べ残しから育てる再生野菜。
言わばこうすればまた新しい葉が出くるという科学実験的な側面があるのですがネギだけはガチ。
種より食べ残し再生の方が育てやすく収穫が早いというのがまた好感度UPです。

スーパーではもう根の部分を切って売っている場合がありますが、必ず根が残っているものを買って下さい。
上の写真は結構長く根がついている方。この三分の一くらい、ちょぼちょぼ残っているだけでも大丈夫です。

使うのは白丸の部分。
やっこネギで細いから長く見えますが3~4cmあれば充分です。
私は根出ししてからの定植をおススメしているのでむしろこれ以上長くない方がいいのです。

ネギのひげ根を伸ばす

ネギの根っこはそのまま植えずにまずはコップに入れ、ひげ根の部分だけが軽く浸かる程度に水を入れます。
あまりどっぷり水に入れてしまうと真夏はネギが腐ってしまいます。
萎びているひげ根でも一晩水に馴染んだら元に戻って伸びてきます。
この時別にお日様に当てる必要もありませんが、かと言ってことさら暗いところに置かないで下さい。
台所の流しにでも置いておけばいいでしょう。
夏場は水を毎日替えて下さい。ひげ根が数cmに伸びたら定植しましょう。

ネギの根が伸びたら定植

季節にもよりますが一週間くらいでひげ根は数cmになります。
この時ネギは好き放題に曲がったり丸まったりすると思いますが気にしないで下さい。
不思議と定植してしまえば徐々に真っ直ぐになります。

植える土は新しい培養土ならもう肥料は使わないで下さい。
含まれている肥料分だけで充分、ネギは肥料分が多いとむしろ枯れてしまいます。
酸性土壌を嫌うので使い古しの土なら植付け前に苦土石灰を混ぜておきましょう。

植えたらたっぷり水やりして下さい。
あとは表面が乾いたら水やり。たまに液肥です。
ネギは乾燥に強い野菜なのでちょっとくらい水やりが遅れても枯らすことはないでしょう。

ひげ根を伸ばさずにネギを切ってすぐそのままを植えることもできますが後の生長に差がでます。
ひげ根を伸ばしてから植えた方がずっと早く収穫できるようになります。
伸ばしてから植えると一週間もすれば新しい葉が長く伸び、薬味に使えるようになります。

コップにさすだけで何回も収穫できるという情報もネットにありますが、あれはウソ。
いくら強いネギでも水だけでは無理、初回はある程度伸びますが味も香りもないネギになってしまいます。
実験で育てているならともかく食用にするなら水だけ栽培は無理だし無駄です。
ちゃんと土に埋めて太陽に当てて育てて下さい。

育ち過ぎたらリセットでエンドレス収穫

定植さえすればネギは勝手に育ちます。
栽培期間が長いので、量を調節しやすい液肥が便利です。
後はお好みの太さのネギを摘んで薬味に使えばいいだけです。
ただネギって育ち過ぎて好みの細さ以上に育ってしまうんです。
そんな時は一旦全部カット!リセットしてしまいましょう!

根っこはしっかり張っているのであっという間に新しいネギが上がってきます。
好みの太さのネギがなくなったら何度でもリセットして下さい。

ネギの葉の世代交代

ネギの定植はこれで完了。めちゃくちゃ簡単です。

ネギは中心部から次々葉が上がって来るにつれ外側の葉は茶色くカサカサになります。
これはネギが枯れてしまったのではなく葉の世代交代です。
カサカサになった葉は取り除いていきましょう。
そのままにしておくと雨のあとに腐ってしまいます。
ちゃんとお手入れしてやれば、ほんとうにネギって毎日収穫できます。

確かに見た目は地味ですが、やり始めたらネギ栽培は楽しいですよ。
失敗がほとんどないっていうのがいいじゃないですか!
スーパーのネギからやるネギ栽培。
お、このネギ美味しいぞって思ったら根っこは絶対に捨てないで下さい。
その根っこを植えておけば美味しいネギがずっと楽しめます。