シソ、モロヘイヤの柔らかい葉を育てるコツ。写真で説明!

シソは夏野菜の隠れたスター

大量に使うことはないけれど、毎日少しあれば便利。
薬味に使うシソやネギはそんな野菜ではないでしょうか。
スーパーでも買うことはできますが、1パックの量が多い。
冷凍すると風味が落ちるし、結局余らせることになります。

ハーブはもともと生命力の強い草ですが、シソも世界に誇る日本のハーブです。
一年草ではありますが、花が終わるまで植えておくと、こぼれ種が落ちて翌年勝手に発芽します。
なまじ人の手で種まきするよりも、こぼれ種の自然発芽の方が確実です。
シソは丈夫でとても育てやすく、一度植えると種でつないでずっと栽培することが可能になります。

シソはプランターや庭の片隅に数本あれば夏中楽しめるので、花しか植えないガーデナーも意外と栽培しています。
家庭菜園をやめてしまった人でも「シソとネギだけは育てている」という人はとても多い。
シソは地味なようですが、夏野菜カテゴリで一番栽培されている(と私は思っている)夏の家庭菜園のスターなのです。

家庭菜園のシソがかたいのはなぜか?

スーパーで売っている大葉は、大きな葉ですが柔らかくて繊細です。
家庭菜園のシソの葉を、売っているシソの葉の大きさまで育てると、どうしてもゴワゴワして風味が落ちてしまいます。
なぜでしょうか?

シソの葉は最初、薄くて黄緑色をしています。
太陽の光を浴びてシソの葉は大きく広がり、濃い緑色に変化するのですが、この時葉の厚みが増して表面に産毛が生えてきます。
この産毛がゴワゴワしてシソの葉の食感を大きく下げてしまう原因となっています。

シソ農家はシソをハウスの中で光量を調整しながら栽培しています。
温度は高くでも強い日光には当てていないので、葉は大きくても柔らかいまま風味よく育ちます。
文字通り「大葉」の大きさまで育てても、ゴワゴワしないのはそのためです。

夏の炎天下で育てる家庭菜園なのに、スーパーで売っている大葉の大きさまでシソの葉を育ててしまうと全く別物になってしまいます。
盛り付けするのに使うならいいのですが、薬味に使っても風味は悪い。
これではせっかくシソを植えている意味がありません。

風味の良いシソの葉とは

家庭菜園の場合、シソの葉は黄緑色の若い葉を使うようにしましょう。
成長点に近い若い葉はサイズは小さいのですが、シソの中で一番柔らかくで風味の良い葉です。
シソの葉を大きく育てるのではなく、発想をかえて、柔らかな葉を複数収穫すればいいのです。
でも成長点の葉を続けて収穫してしまうと、いくら生命力の強いシソでも枯れてきます。
どうすればいいのでしょうか?

写真で解説、シソの切り戻し

答えは簡単、「切り戻し」です。
ペチュニアやマーガレットにやる切り戻しをシソにもおこなってください。
切り戻しはハーブにも有効です。
シソは丈夫なので、夏中切り戻しができます。

下の写真をご覧ください。実際には生えている状態だと思ってくださいね。
食べておいしいのは黄色い丸の部分。

ここは柔らかくて香りも爽やかなので、冷奴に乗せたりご飯に混ぜ込んだりするのに最適です。

黄丸部分を茎ごとカットします。
赤い丸の葉は大きいのですが、採らずに残しておいてください。

シソを切り戻すとどうなるか?

残った青丸部分に注目してください。

葉の根元に芽が出ています。

この2個の芽を伸ばすことによってシソの茎は2倍になり、葉の収穫量も倍増します。
収穫するごとに茎の数が増えるので、時々は根元近くでばっさりカットし、茎を減らして通気性を確保してください。
花にやる切り戻しと同じですが、花姿を観賞するわけではないので、好きに茎を増やしたり減らしたりしましょう。
ペチュニアやマーガレットと同じように、根本も茎が太くなって株全体が大きくなります。

切り戻しすることで草丈は低くなるので、プランターで栽培している場合、この方が扱いやすくなります。
葉が多く、一株が大きく育つので、水切れしないように気をつけてください。
また分岐した芽が早く伸びるように、肥料もときどきやっておきましょう。
若い葉が常に育っているので、美味しい葉が常に収穫できます。

モロヘイヤにも応用しよう!

切り戻しはモロヘイヤにも有効です。
モロヘイヤもほっておくと草丈がすぐに1mを上回ります。
切り戻すことによって、扱いやすく、柔らかい葉が数多く収穫できるようになります。

モロヘイヤも大きな葉はもしゃもしゃして味が落ちます。
シソもモロヘイヤも葉を食べる野菜ですが、大きな葉を育てるのではなく、食べておいしい柔らかな葉を沢山収穫することに発想を転換しましょう。
切り戻しをすれば、収穫までの時間も短くなります。

野菜にはおいしい食べ頃というものがあります。
せっかく家で野菜を栽培するなら、ぜひ好みの食べ頃を探ってください。
スーパーでは売ってない、好みの食べ頃の野菜が食べられるのが、家庭菜園の良さだと思います。