トマトの伸びすぎ防止と秋まで収穫する方法

梅雨から夏の気候が変わってきた

学生時代から花や野菜を育てて30年以上、確実に地球温暖化が進んているのを感じます。
私は郊外の住宅地に住んでいるのですが、周囲の山が削られて開発が進んだのも大きい要因です。

以前は夏にゴーヤのグリーンカーテンを作るお家が多かったのですが最近は皆さんやらなくなってしまいました。
台風が6月から来ることも増え、風当たりの強いお宅は怖くて作れないのです。

私も今は大きく高く育てていたトマトやキュウリをどうすればコンパクトに育てることができるか試行錯誤しています。

トマトの一本仕立て

トマトは勢いが強い植物です。
ミニトマトは特に強く、気を抜くと横に横に広がって収拾つかなくなります。
トマトを植えたものの、7月になるかならないかでグダグダになってしまうケースが多く見受けられます。
まずはトマトの樹勢をコントロールしましょう。
トマトは一本仕立てにすることが長期間収穫するための基本なのです。
株の中心の茎を一本だけ伸ばすのが一本仕立て。
一本仕立てにすると横に這わしたり螺旋に巻いたりして背を低く仕立てることもできます。
とにかく扱いやすくなるのです。
横に何本も茎が広がり花房がついてしまうと後で仕立て直すのはもう不可能です。

トマトの脇芽取り

一本仕立てにするには初期の徹底的な脇芽取りが肝心です。
脇芽とは葉の付け根から出てくる芽、これを放置すると茎が無数に増えていきます。
この芽を取り去る作業が脇芽取りです。

脇芽は5cm以内なら手でポッキリ根元からキレイに折り取れます。
一度取っても同じ場所から何度でも生えてくるので要注意。
脇芽は生長が早いのですぐに太くなり、花房をつけたり、そこからまた新しい脇芽を伸ばしたりします。
脇芽から出来た茎に花房が着くと株の勢いが最初に集中し、収穫が短期間で終わってしまいます。
実も養分が行き渡らず、本来なら一つの花房から10個以上収穫できるミニトマトなのに数個で終わってしまうことも。
脇芽取りは樹勢の管理に欠かせない大事な作業です。
週に2回は全ての葉に脇芽が出ていないか見ておくようにしましょう。

トマトの横誘引

トマトを高く育てるのが無理なので、横に誘引しておられる方も多いと思います。
上に上にと支柱に固定せず、ある時点から茎をカーブさせ背を低く誘引する方法です。
でもどうカーブさせるにしても基本は同じ。
横誘引は主茎が横にむけて固定されているのであり脇芽を広げているわけではありません。
脇芽を伸ばして横に固定して広げてしまうと収穫が一度に始まり中途半端で終わってしまいます。

トマトの葉かき

トマトの葉かきには「剪定のための葉かき」と「不要になった葉を除去する葉かき」の二種類あります。
私は露天の家庭菜園なら葉陰も大事なので選定のための葉かきは不必要なのではと考えています。
*参考記事 トマトの脇芽取りと葉かき 

大事なのは不要になった葉を除去する葉かきで、トマトの中でもミニトマトは特にこれをやっておかないと茎の付け根あたりから何度も芽が出で主茎を脅かすことになります。

トマトは下の段の花房から着色が始まりますが、着色が始まったらその花房から下の葉は全部取り去って下さい。
この部分の葉に養分が取られると花房の実が栄養不足になります。
スカスカしてホントに良いの?となりますが構いません。
主茎一本丸出しの状態にして下さい。

トマトの茎下ろし

下段からトマトの収穫が進むにつれ主茎一本丸出しの部分が長くなってきます。
収穫とともに長くなったこの愛想のない一丸出しの茎をたるませて株を全体的に引き下げる作業を茎下ろしと言います。
これやった方わかっておられると思うんですが結構面倒です。
トマトの横誘引をされている方の多くはこの作業が嫌いだからという方もおられるのでは。
横誘引なら場所さえあればこの作業はやらなくてもいいですもんね。

上に伸びるにつれ支柱を立てトマトと固定しますが、その支柱と結んでいる箇所を外して結び直さなくてはいけません。
雨の後などの株の水分が多いときにやるとポッキリ折れてしまいます。
私はある程度水分を切ってからやっていますがネットで見ると、茎をペンチで少し潰す方、折ってテープ修復を前提にしている方などもおられました。
トマトって茎が折れてもテープ修復でなんとかなることが多いです。

トマトの伸びすぎを防止する摘芯

主茎をいつまで伸ばし続けるのかは何段目まで収穫するつもりかで決まります。
昔のテキストだとトマトは下から5段から7段目くらいまでの収穫が目安とありますが、9月の気温が高い最近では9段目くらいまで収穫する人も少なくありません。
ミニトマトなら十分可能だと思います。
プロ農家ならB品を避けるためにやらないのですが、家庭菜園ならそこにこだわる必要はないですよね。

例えば8段目の花房まで収穫したいと思うなら9段目の花房が小さく出来てきた時点でそのすぐ下をハサミでカットして下さい。

この時の注意ですが、摘芯すると上のイラストのオレンジ色の丸の部分から強い脇芽が出ます。
この脇芽を見逃すとすぐに主茎より太く育っていくらでも伸びていってしまいます。

一本仕立てで摘芯し、その後きちんと先端の脇芽を取ればそこで生長は止まります。
栄養分は最後の花房に集中し、きちんと着色された綺麗な実が収穫できます。

トマトの誘引方法を工夫しよう

大玉トマトや中玉トマトは実が重いのでちょっとしたことで落ちてしまいします。
でもミニトマトなら茎が細く、実も軽いので普通のトマトよりいろいろな作業が簡単です。
上記の基本の一本仕立てをマスターすれば、トマトの主茎を好きな方向に誘引することも可能なのです。

トマトは背を低く育てるのではなく、一本仕立ての茎をどう誘引するかで栽培スペースとの折り合いをつけましょう。
ミニトマトなら上手くいけば一株から100個近く収穫することも可能です。

せっかくのトマト、最初でグダグダにしてしまわないためにもぜひ一本仕立てをマスターしておきましょう。
そして秋まで収穫を楽しんで下さい。