サヤインゲンは家庭菜園向きの野菜である
サヤインゲンは収穫してから日持ちのする使い勝手の良い豆です。
私が一番の長所と思うのは栽培期間が短いところ。
種まきから約2ヵ月で収穫できるのは、豆類では抜群の短さです。
栽培期間が短いことからサヤインゲンは別名『三度豆』とも呼ばれ、年に3回育てることが可能です。
家庭菜園で栽培期間の長い野菜を育てるということは、その期間はそのスペースが使えなくなるということ。
短期間で何度も収穫できる野菜の方がスペースに対するパフォーマンスがよいのです。
収穫する楽しさをマメに体験しないと家庭菜園は続きません。
じっくり育てる野菜も良いのですが、どんどん収穫できる野菜と組み合わせて育てるようにしましょう。

プランター栽培に適したサヤインゲンを選ぼう
プランターでサヤインゲンを栽培するなら「つるなし」を選んで下さい。
つるなしなら草丈が低く、長い支柱を立てることなく栽培することが出来ます。
プランターで支柱が必要な野菜を育てる場合草丈を確認し、できるだけ低めのものを選んだ方が後々楽です。
家庭菜園のスぺ―スを考える時は、底面積だけでなく高さも考慮して下さい。
陰になって他の野菜が育たない、部屋に日が入らないなどの思わぬトラブルがあります。
背の高い野菜が植えられているプランターを移動させるのも面倒です。
家庭菜園が盛んなせいか、サヤインゲンはつるなしが主流となってきました。
サヤインゲンには平莢と丸莢があります。
ともにつるなし品種が複数ありますが、一般的に丸鞘の方が背が低く育ちます。
品種で言えばれんたろうなどが丸莢モロッコインゲンなどが平莢です。
私が栽培した経験では丸鞘の方が多収です。

サヤインゲン 種まきと栽培のコツ
サヤインゲンの発芽適温は23℃~25℃、生育適温は15℃~25℃とされています。
発芽適温より生育適温の方が低いのが注意点となります。
どのまき時期にも言えることですが、栽培期間が短いサヤインゲンは発芽を揃えないと収穫時期もばらついてしまいます。
発芽で失敗して追加まきをした場合、最初の種まき分と同時に収穫することはできないということを覚えておいて下さい。
サヤインゲン 春まき栽培のコツ
種は問題なく発芽しますし、その後もすくすく育って順調に収穫できます。
サヤインゲンは三度豆の別名があるとはいえ、家庭菜園での一番の種まき適期は4月です。
種袋に書いてある通り種まきすれば、春まきなら難なく発芽します。
豆類は肥料をやると葉ばかり育って花が育ちません。
栽培期間も短いことから、新しい培養土や堆肥をよく混ぜこんだ土ならも
肥料は花が咲いてからでかまいません。
サヤインゲン 夏まきの発芽のコツ
豆類の種は要する豆なのですが、高温多湿にとても弱く、まいても発芽前に腐る場合があります。
梅雨頃に種まきする夏まきも場合、発芽せずに腐る割合が増えてしまいます。
これを避けるにはポットに種まきし、低温を保つようにして下さい。
土に湿り気がないと発芽しませんが、豆類に過湿は禁物。
水分を吸収させた土に種まきしたら、発芽まではよほどカラカラにならない限り、追加で水をかけるのはやめておきましょう。
夏まき栽培の場合、発芽させたとしても生育適温の方が発芽適温より低いため育たない場合が多く見受けられます。
暑過ぎてどうにか生長はしても、結局花が落ちて結実しません。
ぎりぎり30℃くらいなら収穫できるのですが、ここ10年の日本の気温だとまず無理になってしまったと思います。
種まきから2か月の間30℃以下の場所が確保できないなら、夏まきは避けた方がいいと思います。
反対に場所が確保できるなら、発芽さえしたら収穫までは春まき栽培と同じ流れです。
サヤインゲン 秋まき栽培のコツ
サヤインゲンの秋まき栽培、発芽適温は23℃~25℃、生育適温は15℃~25℃に適しており、以前は春まき栽培と同様にたくさん収穫出来ていました。
ただここでも温暖化の影響が出ています。
秋になってもいつまでも暑く、そのあと一気に気温が低くなる「秋」のない年が続いているからです。
発芽は良いとして、その後の生育適温が2か月間確保できずに気温が一桁になってしまうのです。
花後に気温が下がると実が大きくならないまま生長が止まる、結局少ししか収穫できません。
秋まきは長期予報をチェックして、2か月間の生育適温が続きそうかどうかを確認してから種まきして下さい。
気温さえうまく合えば、秋まきでもたくさん収穫できます。
