生ごみコンポストに入れていいもの、ダメなものとは?

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生ごみコンポストの『生ごみ』って何?

生ごみコンポストにはそもそも何を入れるのでしょうか。

生ごみコンポストは生ごみを発酵させて堆肥にします。
堆肥って何さ、というと有機物が微生物によって分解したもの。
堆肥の見た目は土と一緒で、これを土に混ぜると花や野菜がとてもよく育つようになります。

生ごみコンポストの「ごみ」の部分に注目し過ぎ、有機物ならなんでも入れていいのかと勘違いしている人がいます。
家庭の生ごみコンポストはあくまでも生ごみを土に戻す、簡易堆肥製造機です。
以下に紹介するのは生ごみコンポストに放りこんでも失敗の少ない基本の生ごみです。
発酵中も匂いがほとんどなく、出来上がった堆肥も安心してガーデニングに使用できます。
最初は基本に沿って生ごみコンポストを始めてみましょう。

生ごみコンポストに入れるもの

野菜ごみ

キャベツ白菜の外葉や芯、ジャガイモやみかんの皮など野菜や果物の食べない部分、種もOK

有機物が発酵するためには水分が必要です。
生ごみコンポストのベースに混ぜ込んでも水分を含んでいる野菜ごみは理想的な生ごみといえます

調味料や油がついていないタンパク質以外の残飯

出汁をとった昆布、白いご飯、パン、麺類、パン粉、粉類

有機物が発酵するためには水分が必要なのですが、その水分が過剰になると腐敗に転じます。
そんな時ありがたいのが固くなったパン粉や粉類!
消費期限中に使い切れなかった粉類を有効利用することができ、私は救われた気持ちになっています。

茶殻

緑茶、麦茶、玄米茶など日本茶や紅茶、烏龍茶など発酵茶、コーヒーのコーヒーかす

茶殻はなんでもOKです。
発酵中もほぼ無臭であること、水分を含んでいることなどから生ごみコンポストにはとてもありがたい。
発酵茶はとくにすぐ堆肥になります。
茶殻は発酵とともに固まってしまうので、生ごみコンポストに投入するときによくほぐし、ベースと混ぜて入れるようにしてください。
コーヒーかすは発酵に少し時間がかかります。

卵の殻

卵の殻は生ごみコンポストに入れても分解され形がなくなることはありません。
ただカルシウムは徐々に土に溶けだすものらしいので私は必ず入れています。
混ぜているうちに細かく砕けて土に馴染むので、分解されなくても何の違和感もありません。

生ごみコンポストに入れない方がいいもの

肉、魚などのタンパク質の生ごみ

肉や魚、卵の黄身白身、チーズなど

魚のアラや内臓はとてもいい肥料成分を含んだ堆肥になります。
それはプロが設備の整った工場で堆肥化する時の話であって、家の生ごみコンポストと一緒にはできません。
タンパク質の生ごみを生ごみコンポストに入れると、ツンとしたアンモニア臭がします。
生ごみコンポストは随時撹拌するので、当然匂いは全体的に広がります。
発酵が進むにつれアンモニア臭は消えていきますが、この匂いが出る時期にめっちゃゴキブリが来るんです。
これは私が身をもって何度も経験しているので、タンパク質の生ごみはオススメできません。

調味料、油、調味料や油が大量についた残飯

塩、砂糖、食用油、味付けをした食べ残しの料理、ピザや菓子パンの食べ残し

調味料の塩系は土を駄目にしてしまいますし、砂糖系には蟻が来ます。
(参考記事:絶対ダメ!やってはいけない塩の雑草処理
油の発酵分解は本来は別に長時間かけてやるべきで、生ごみコンポストで発酵させるには無理があります。
味のついた食べ残しも量の加減がわからないのでやめておく方が無難です。

発酵促進剤になるので是非入れたいもの

納豆、ヨーグルト

納豆菌もヨーグルト菌も土をフカフカにする性質があります。
容器をゆすいだ水を生ごみコンポストの攪拌時に混ぜるだけでも効果が出ます。

生ごみコンポストに入れてはいけないもの

腐敗させる菌がついた可能性のある生ごみ

生ごみコンポストを何度やっても腐らせてしまう人のお話を聞いていて「なるほどこれは盲点だった!」と思ったことがあります。
その方は台所の排水溝に溜まった生ごみも入れておられました。
こういう部分には既に腐敗の原因となる菌がいるはずですし、除菌や掃除しているといっても個人によって差がある場所です。
生ごみコンポストにはなるべく腐敗の原因となる要素を持ち込まなないようにしましょう。

余談になりますが「タンパク質がだめなら爪や髪の毛もだめってことですか?」と質問された経験も。
自分には爪や堆肥を生ごみコンポストに入れるという発想が全くなかったので何度も聞き返してしまいました。
真面目にお答えすると、爪や髪の毛はケラチンという腐りにくいタンパク質だから生ごみコンポストで発酵分解は無理です。

生ごみがフワフワの土に戻る生ごみコンポスト。
いろんな価値感があることもわかって奥が深いですよね。
ぜひ皆さんにも始めてほしいと思います。