生ごみコンポストの失敗は水分の調整不足

生ごみコンポストの失敗原因を探れ!

生ごみコンポストを始める人が増えてきました。
推奨する自治体が増えたとか環境意識の高まりとか理由はどうあれ喜ばしいことと思います。
私は生ごみコンポスト歴10年以上。
数多くの失敗をしましたが、原因のほぼすべてが水分の調整不足です。
「失敗してるかも」という生ごみコンポストを見せて頂くこともありますが、やはり原因は水分。
生ごみコンポストと水分の関係を整理しようと思います。

生ごみコンポストの容器選びで失敗

生ごみは水分がないと発酵することができません。
発酵中の生ごみコンポストの中は常に湿っていなければダメ、湿っているのが正しい状態です。

昔ながらの生ごみコンポストってご存じですか?
畑にあるバケツを伏せたような容器、あれは生ごみコンポストなんです。
構造は蓋と側面だけの底が抜けたバケツ状、それを土の上に直に設置することで水分調整を可能にしています。
要するに底が地面になるわけですが、底のない土に直置きする生ごみコンポストには、余分な水分は地面が吸収するし、乾燥すれば下の地面からから水分が上がってくるしで、とても良く考えられた合理的な容器になっています。

畑に設置する前提の容器なので、鳥獣除けに蓋がついています。

家庭で使う生ごみコンポストの場合、生ごみを完熟させるために水分を加えて混ぜる必要があります。
発酵途中の余った水分が底に溜まらないように、生ごみコンポストの容器には通気性がなくてはいけません。
水分が表面からしか抜けないプラスチックバケツでは、余った水分が底に溜まって腐敗が始まってしまいます。
過剰な水分から始まる腐敗は、すぐに生ごみコンポストの中身全部に広がります。
生ごみコンポストを腐らせることなく堆肥化するポイントは「水分コントロール」なのです。

生ごみの量で勘違いする失敗

普通のプラスチックバケツで生ごみコンポストを始める人がいます。
通気性のないプラスチックバケツで生ごみがちゃんと発酵するとしたら、それは処理する生ごみの量が極端に少なく、それに加えて下に水が溜まらないくらい容器が大きかった場合のみです。

生ごみを発酵させて分解する。
それを実験感覚でごく少量の生ごみでやるなら、通気性のない容器であっても成功する可能性はゼロではありません。
でも少量の生ごみを土に戻した経験を、そのまま生ごみコンポストに応用してはいけません。
他の条件はそのままなのに、処理する生ごみの量だけ増やすのは応用にもなっていません。
生ごみコンポストを始めるなら、生ごみを腐敗させないということを第一目標にしましょう。

乾燥生ごみを発酵と勘違いする失敗

冬は生ごみコンポストを始める人が増えます。
前から興味があったので、ガーデニングに手の空く冬がいい機会になるからです。
寒い時期なので生ごみが腐らず初心者にはありがたいのですが、注意しなくてはいけない点があります。
気温が低く生ごみが腐りにくい。それはすなわち生ごみは発酵もしないということ。
そして空気が乾燥しているために、生ごみが発酵する前に水分不足で乾燥してサラサラになってしまうということです。

冬の生ごみコンポストで一度はやる失敗がコレです。
水分不足で「乾燥生ごみ」になった生ごみを発酵が終わったと勘違いしてしまう失敗です。
水分コントロールというと水分過多が頭に浮かびますが、水分不足でも生ごみコンポストには問題が発生します。

サラサラ故に乾燥生ごみを堆肥として土に混ぜてガーデニングを始めると、雨で生ごみがもとに戻り、花や野菜の栽培中に土に虫が湧いてしまいます。
生ごみが腐らないために見逃しがちですが、後々大きなトラブルになりまねません。
生ごみの色や形が残っていたら、それは堆肥ではなく乾燥生ごみです

上の写真が堆肥化した生ごみです。
形が残っていいのは玉子の殻くらいです。

水分調整は生ごみコンポストを確認しながら

気温や天気、入れる生ごみに左右されるので、あらかじめ生ごみコンポストの水分量を決めておくことはできません。
水分が多い方ならよくかき混ぜて空気を含ませたり乾いた土を足します。
少ないようならジョウロで水をかけます。
逆に言えば、行き当たりばったりでどうにでも調整することが可能です。
乱暴に言えば若干腐敗が始まった生ごみコンポストでも、全力で水分を押さえれば軌道修正できます。

気楽に土を足したり水を加えたりできるように、生ごみコンポストは屋外でやりましょう。
電気を使わず室内でもできる生ごみコンポストセットがいろいろ発売されていますが、私の周囲では2回続けて使っている人はいません。
条件さえ整えば生ごみコンポストはあっけないくらい簡単に成功します。
ぜひ皆さんに生ごみコンポストを始めてほしいなと願っています。