シンボルツリーを植えて後悔する確率90%(グロ子調べ)
シンボルツリーとは、名前の通りその場所のシンボルとなる木のことです。
日本では家の購入時、記念に植えるシンボルツリーが一般的です。
でも最近は事情が違ってきました。
手頃で便利な住宅地は敷地の狭いものが多く、庭木を植える前提ではないものが増えました。
戸建てであっても、コンクリートで庭を覆って植物を地植えしない住宅が普通になりつつあります。
住宅購入費の相談を受けるファイナンシャルプランナーの私、実はシンボルツリーがトラブルに発展したお話をよく聞きます。
住宅購入時にシンボルツリーを植えておられたのに、数年後にお会いすると「抜きました」とおっしゃる方がほとんど。
今回はよくお聞きするシンボルツリートラブルをまとめてみました。
代表的なシンボルツリーのデメリット
落葉樹の落ち葉が近所に広がる
『落葉樹は夏は日差し除けになるし、秋からは葉を落とすので圧迫感がない』
これは落葉樹を庭木に勧める植木屋さんがよく言うセリフですが、その落ち葉が一番近所トラブルの原因になります。
自分の家には木を植えていないのに、近所の落ち葉が門や庭、車庫、玄関に溜まり掃除が必要となるのはいい気がしません。
庭木の枝の越境、落ち葉による樋の詰まり
広さがないのに木を植えてしまったり、隣家との境界線に近すぎた場合、枝が越境してしまいます。
シンボルツリーに多いオリーブは、品種によりますが数年で高さが10メートルを超えます。
また落葉樹の高さが屋根を超えると、落葉が樋に詰まり雨水があふれてしまいます。
庭木は数年後から維持費がかかる
上記のトラブルを避けるためには、毎年数万円の剪定費用が必要となります。
木を植えた数年間は自力で何とかなっても、最終的にはプロに頼まなくては手に負えなくなります。
これを惜しむともっと多くの費用が必要となるトラブルがおきるのは目に見えています。
木の根の越境、地下の下水管破損トラブル
敷地に余裕がないと、地下でもトラブルが出てきてしまいます。
木の根が越境したり、下水管の隙間に根が入り込んでふさいでしまった例があります。
落ち葉トラブルを見越し、シンボルツリーに常緑樹の低木を選ぶ方もおられますが、根のトラブルに関しては落葉樹、常緑樹の関係なく起きています。
リフォームや車庫の邪魔になる
家に長く住んでいると、家族の形態や事情も変わってきます。
もう一台分車庫が必要になったり、部屋を増やしたり、バリアフリーにしたりとリフォームしなくてはいけなくなることもあるでしょう。
庭木が邪魔なら抜く以外の選択肢はありません。
シンボルツリーや庭木の撤去にかかる費用
苗から植えた木は生長が早い。
こちらも日々の生活に追われて庭の状態を細かく観察する余裕がありません。
トラブルが表面化して初めて気が付くケースがほとんどです。
大きくなった庭木を伐採する場合はプロに依頼することになります。
自宅と隣家の屋根を養生してからでないと作業ができない場合、費用が10万円を超えることも珍しくありません。
庭木を切っても根を残していると、シロアリが湧いたり、腐ってその部分が穴になったり、根から新しく木が再生されてしまったりします。
これもプロに伐根してもらうしかありません。
家の常識は時代とともに変わる
この問題はシンボルツリーが悪いわけではなく、庭で木を育てるということが、時代に合わなくなってきていることからおきている問題です。
現代は家に対する考え方も変わり、家族のライフスタイルに合わせて家を選ぶようになりました。
住み替えや自宅のリフォームもマメにおこなわれます。
親世代が住んでいた家は亡くなった後売却され、子世代が住むことはほとんどありません。
新しい家に引っ越すと記念に何かやりたくなりますが、地植えにするシンボルツリーは後で対処に困ります。
10年後、20年後に自分たちがどうなっているのかなんて本当にわかりませんよね。
でも植えたシンボルツリーはどんどん育って大きくなります。
これだけは確実に言えることです。
シンボルツリーは生き物です。
見慣れたシンボルツリーを抜いてしまうのは植物とはいえいい気がしないものです。
後悔しないようにデメリットをよく検討してから植えて下さい。