そのまま種まき!納豆だけコンポストのやり方

コンポスト//

培養土として使える堆肥を作りたい

定植する時に使い古しの土を使うなら堆肥を混ぜる。
常識ですがこの作業が面倒な時もあります。

牛ふん堆肥やバーク堆肥ならいざ知らず、土をベースに作る生ごみコンポストの生ごみ堆肥ならそのままでも種まきや定植にも使えるのではないか。
そのまま培養土に使える堆肥を作れないものか。
そんな発想からできた堆肥作りのやり方です。
重たい土や堆肥を持ち上げて移動する作業をなくしたい。
周囲が散らかる作業が嫌な方にもやってみて欲しい手抜きコンポストのやり方です。

米ぬかを使わずに納豆を使う

米ぬかは堆肥作りに欠かせないと思いがちですがそうでもありません。
生ごみコンポストにおいて、米ぬかは発酵時の熱を上げ完熟までの時間を短くします。
ですが米ぬかを使わなくても堆肥作りは十分成立するのです。
米ぬかの欠点は完熟の見極めが難しいこと。
米ぬかを利用した堆肥が未成熟だった場合、土に混ぜてからまた発熱して発酵を始めたりします。
堆肥をそのままを培養土として使用したいときには、米ぬかは不向きです。

米ぬかの替わりに納豆を使ってコンポストをやればいいのではないか。
納豆はどこのご家庭の冷蔵庫にもある優秀な発酵促進剤です。
米ぬかより断然使いやすくふかふかの堆肥が作れます。

納豆堆肥作りに用意するもの

1 使い古しの土

野菜を育てた後の土です。
自治体推奨の簡易キエーロで絶叫(1) で書いているように土なら何でも良いというわけではありません。
生ごみコンポストは土がベースなので、土の中にある程度の微生物がいてもらわないと話になりません。
工事現場の土などではなく、野菜や花を育てた後の培養土を使って下さい。
野菜や花を育てた後であっても、堆肥を作りには十分な微生物が存在しています。

2 野菜くず

台所で出る毎日の野菜くずです。
基本は 生ごみコンポストに入れるもの を見て下さい。
食パンや白飯の残飯なども問題ありません。
野菜くずにこだわるのは微生物による分解が早いからです。

「シンプルコンポスト」はゲームなのだ! で書いたように早く発酵させたい場合は手間をかけて刻むこと、刻んで小さくしておくと短時間で消えてなくなります。
逆に発酵時間にこだわらないならその手間はかけなくてもかまいません。
私は時間がかかっても少しでも楽をしたい。
野菜ごみは台所で出たそのままを刻まずに使っています。

3 納豆

今までも納豆はコンポストでの堆肥作りに使っていました。
でも発酵が始まるとともに庭がうっすら納豆臭になります。
試行錯誤の結果ある結論にたどり着きました。

納豆は米ぬかと一緒に使わなければ臭くない!

納豆を使ったコンポストの堆肥作りでの悩みの種、納豆臭は発酵温度が関係します。
でも米ぬかを使わず低温でじっくり野菜くずを分解させるこのやり方なら大丈夫です。
これは本当に私的には大発見でした。
ヨーグルト菌より強力な納豆菌、米ぬかを使用せずどんどん利用していきましょう。

4 全方向に通気性のある容器

私としては growfood365のプランターバッグ を推したいところですが、この場合は不織布のプランターバッグでも大丈夫です。

問題はダンボール。ダンボールって通気性はありますが水分に弱い。ですのでAmazon的な軽いダンボールではなく、リンゴやミカンなどが入っていたがっしりしたダンボールを使って下さい。最低でも7Lくらいの容量があるものが理想です。

納豆だけコンポストのやり方

1 容器に土を少し入れる

プランターバッグの底に薄く土を入れます。
これはタマネギの皮などがプランターバッグに貼りついて汚れるのを避けるダメです。
気にならないなら入れなくても大丈夫、容量が少ない容器なら省きましょう。

ダンボールの場合は水分の多い生ごみがくっついて強度が下がるのを避けるため、少し多めに入れておいた方がいいと思います。

2 生ごみと土を混ぜて入れる

生ごみと土をよく馴染ませて入れます。
基本は1対1の同量ですが、土を増やすほど野菜くずの分解が早くなります。土を減らすと遅れます。
野菜くずは小さく刻むと分解が早いし、そのままだと時間がかかります。
気温は高ければ短時間で分解しますが、低ければゆっくり分解します。

生ごみと混ぜた土は生ごみの水分で湿っているという状態が理想です。かき混ぜてもスコップに汚れがあまりつかない程度。手で握ると一旦は形になってもすぐホロホロと崩れるくらいです。

3 生ごみの上に土を被せる

生ごみと土を混ぜたものがいっぱいになったら上に土を被せて蓋をします。
この上に土を被せる作業は忘れないで下さい。

この作業で虫の発生が抑えられますし、虫が発生したとしても見ずに済みます。
葉物野菜の屑をヒヨドリなどに狙われることもありません。

高温期の虫の発生リスクは分解時間が短い方が低いので、虫の発生を最小限に抑えたいなら生ごみは刻んだ方がいいと思います。

4 堆肥に入れる納豆水を作る

1パックの納豆を8L水に入れて1日以上経ったものを使っています。

上の比率の納豆水を半分使ってまた水だけ足しておくこともあります。
几帳面にいろいろな濃度でやりましたが正直なところあまり差がわからない。
納豆のパックだって大小があります。
夏はダメですが、冬は一種間くらい置きっぱなしで水を足しながら使っています。

5 納豆水を入れる

表面の土をどけて
納豆水を注ぐ
また土を被せる

上に被せた土に穴を空けて納豆水を入れます。
土が吸収できる量にとどめて下さい。
生ごみと馴染ませた土は湿り気があり、納豆水は自然にいきわたるので混ぜません。
底から水分が出てくるくらい入れてしまうと周囲が汚れてしまうので注意しましょう。
そしてまた土を被せます。

そのままかき混ぜずに雨がかかっても放置したまま置いておきます。

2週間くらいしたら中の様子を見るためにかき混ぜてください。
野菜くずがまだ残っているようならまた納豆水を入れます。
かき混ぜることにより空気が入って納豆水の馴染みもよくなります。
上に土を被せておくのを忘れないで下さい。

途中、お天気続きでコンポストが乾燥するようならジョウロで水やりをして下さい。
土が湿っている状態がベスト、カラカラに乾いてしまわないように注意しましょう。

最初は分量を計ったり、納豆菌を培養するために黒砂糖を足したりしていました。でもたいして違いはないんですよ。納豆のパックの空容器だけを水につけて納豆菌を増やす方法をよく見かけますが、それに糖を加えて温度調節するくらいならパックごと納豆使ったほうがずっと楽!コストも手間も少なくて済みます。賞味期限間近の割引納豆や冷蔵庫の賞味期限切れの納豆と水だけで十分です。

生ごみが消えたら培養土堆肥の出来上がり!

スコップでかき混ぜて野菜くずが消えていたら出来上がりです。
プランターバッグならそのまま苗を定植して下さい。
米ぬかを使っていないので、万が一完熟していない部分があったとしても土が高温になることはありません。
栽培と並行して自然に土に戻ります。

私はプランターバッグでのプランター栽培のみで家庭菜園をやっています。
何十年も同じ土を繰り返し使っています。
自分の土と長く丁寧に、少し楽して付き合っていきたい。
いろいろな方法をこれからも試していきます。