目立たない寄せ植えに悩んでいませんか?
複数個の花を植える寄せ植え。
凝った寄せ植えをつくったのに、存在感に欠けるものになってしまったことありませんか?
反対に何気なく散歩していても、目に飛び込んでくる寄せ植えもある。
この違いはどこからくるのでしょうか?
私が寄せ植えを数多くつくってたどり着いた結論。
寄せ植えは「色」で決まる!
「キレイなお花ねぇ」と道行く人が声をかけて下さるのは、凝ったものではなく、花色を吟味したものです。
花色にこだわって、花に興味がある人にもない人にも、みんなに楽しんでもらえる寄せ植えをつくりましょう。
寄せ植えには進出色を選ぼう
みんなの目に留まるような寄せ植えをつくりたいとき、私は花色に進出色を使うことにしています。
耳慣れない言葉ですが、進出色とは前に飛び出して見える色、距離があっても近くにあるように見える色のこと。ざっくりいうと暖色系の明度の高いものが進出色です。
下のイラスト、同じ大きさの図形ですが進出色のオレンジの方が引き締まって前に出て見えます。
これを寄せ植えに例えたのが下のイラスト。
進出色であるオレンジの寄せ植えの方が、明らかに前に出て目に留まります。
視界の端に入った時「花がある」と気が付くのは進出色の寄せ植えです。
パステルカラーの寄せ植えの短所
30cm以内で見れば、進出色もパステルカラーもどちらもかわいい寄せ植えです。
でも置いて1m離れると、パステルカラーの寄せ植えは背景に負けてボケてしまいます。
パステルカラーの素敵な寄せ植えの写真をよく見ますが、それは計算された引き立つ背景とプロカメラマンによる照明があってこその話です。
現実は普段の生活の場に置きますし、専用の照明を当てるわけでもありません。
自分でも寄せ植えをつくるような、花に対して常にアンテナが立っているような人なら、視界に花が入ると何色でも興味をもってもらえます。
でも花に興味がない人なら、進出色ではないパステルカラーの寄せ植えは背景に溶け込んでしまい、その前を素通りするだけになります。
みんなが楽しめる寄せ植えにするなら、まずは気が付いてもらえるところが出発点です。
高齢者には明暗差を利用しよう
高齢になると白内障まではいかなくても、目の水晶体がにごり、視界が全体的に茶色くセピア調になります。
病院や高齢者施設に寄せ植えが飾られているのをよく見ますが、色調によってはそこに寄せ植えがあることすら認識されていないと思います。
高齢になった方でも目に留まる寄せ植えは、色の明暗差がはっきりしているものです。
具体的に言うと進出色に白を合わせたものか、明度の高い反対色の組み合わせとなります。
明暗差のはっきりしている花の取り合わせは視力が弱っても認識しやすく、高齢の花に興味がない人にでも花の存在に気が付いてもらえます。
飾る位置も少し高めに、より目に近いところにするのもいいと思います。(もちろん足元には引っかからないように)
存在に気が付いてもらえるということは、花を楽しんでもらえるということに繋がります。
会話のきっかけにもなりますね。
寄せ植えは目的に合わせよう
簡単にお花畑が再現できる寄せ植えは人気のあるガーデニングです。
だからこそいろいろな使い方ができるのはないでしょうか。
花仲間と鑑賞する寄せ植えには、好きな色調の花を使って思う存分腕をふるいましょう。
好きなものをたくさん詰め込んでつくる寄せ植えは、見るたびに素敵な気分に浸れます。
玄関前や門に置く寄せ植えなら、皆に鑑賞してもらえる、喜んでもらえるのはどんな寄せ植えかな?という視点も必要です。
人の心を動かすのは、特別な技術ではなく、そのために努力する作り手の姿勢です。
せっかくの花が自己満足に終わってしまってはもったいない気がします。
お花に興味がない人にも嫌なことがあって気分がふさいでいる人にも、花があると気が付いてもらえて、興味を持ったり気分が変わったりしてくれればいいな。
そんな気持ちで寄せ植えを飾るなら、ぜひ花色に進出色を使ってみて下さい。
花を見て喜んでもらえることは、花を世話している人の喜びになります。
最初はこの花色趣味じゃないわーと思うかもしれませんが、いろいろな人が反応が楽しくなりますよ!