ガーデンシクラメンやシクラメンを長持ちさせる裏ワザ

ガーデンシクラメンでもシクラメンでも基本は同じ

シクラメンは冬の目玉ともいえる花です。
以前は10月から出回るガーデンシクラメンと、12月に店頭に出る高級大型シクラメンの二極化でした。
今ではこの2種類の中間を埋める品種が増えており、私はシクラメンもビオラとパンジーと同じく、花の大きさの違いで区別するという認識でいいのではないかと思います。

登場時のガーデンシクラメンは「地植え」を売りにしていました。
確かにガーデンシクラメンは寒さに強いのですが、関西地方の我が家でも地植えにすると地表の温度が低すぎて花芽が上がってきません。
枯れはしませんが、花が咲かないというのも困りもの。
ガーデンシクラメンでもシクラメンでも、シクラメンなら鉢植えの方が花を長く楽しめます。

シクラメンは買って来た時が一番見応えある状態、あとは徐々に下り坂になりがちです。
上手に管理してシーズン後半にもよりたくさんの花を咲かせましょう。

ガーデンシクラメンやシクラメンのベストな購入時期は

シクラメンの生育適温は5℃~18℃くらい。
ガーデンシクラメンの方が温度変化に強く、大型シクラメンになるほど温度変化に弱くなります。
ガーデンシクラメンは10月から店頭に並びますが、普通に25℃越えが続くので持ち帰ってからを考えると出始めは購入時期とは言えない。
その後の生育を考えるなら、シクラメンの購入は11月の中旬以降にすべきです。

シクラメンは毎年新品種が出ています

ガーデンシクラメンやシクラメン購入時の注意

裏ワザどうこうの前に、ハズレのシクラメンを購入しないように気をつけましょう。

シクラメンは店頭に並んだ時点で花が咲いています。
これはホルモン処理して強制的に花を咲かせている状態、自然に咲いたわけではありません。
球根によってはこれ以降自力で蕾を上げることができないものもあります。
葉が黄変していないピンとした苗を買うのが大前提ですが、そっと葉の間も確認し、小さな蕾が待機しているものを買って下さい。

蕾を確認してから購入

まずやること!シクラメンにはメネデール!

ガーデンであろうがなかろうが、シクラメンを買って帰ってきたらまずはメネデールです。

植物活力剤のメネデール、今使わなくてどうするというくらいシクラメンには効果があります。
買って帰ったらまずはポリポットや鉢の底5㎜くらいをメネデールの100倍液に浸けて適温の日陰に置いて下さい。
底面給水鉢なら入っている水を捨ててメネデールの100倍液を入れましょう。
シクラメンは快適な涼しい種苗会社から出荷され、周囲の温度変化にさらされてストレスがたまっている状態。
ホルモン処理や矮化剤散布で生長をコントロールされていた球根を、気温に合わせた通常の生長に切り替えてやらなくてはいけません。
今必要なのは肥料ではなく、植物そのものに働きかけて状態を整える活力剤です。
メネデールに浸けたら直射日光を避け、適温の日陰でじっくり吸収させて休ませて下さい。

シクラメンを寄せ植えなどに使う場合は、買ってきてすぐに作業せず、この状態で一晩は休ませてからにしましょう。

生育中もシクラメンにはメネデールをよく使うので、普段使わない方も小さいサイズを用意しておいて損はありません。

日陰に移動させます

参考記事 正しく使おう!メネデールの効果的な使い方

メネデールの後、黄変した葉、咲ききった花を取り除く

明るい日陰でメネデール水溶液が全体にいきわたったら、購入時に見逃していた黄変した葉を取り除きます。
園芸シクラメンでも咲ききった花から種を作り始める場合があります。
球根の負担を避けるため、咲ききった花も取り除きましょう。

この作業、メネデールで休ませた後にやって下さい。
シクラメンの花や葉は、茎と球根の接点からポロリと取らなければ腐敗や灰色かび病の原因になります。
なるべく茎の付け根をもって左右に揺らしたり捩じったりしながら取るのがコツなんですが、茎に水が上がってシャッキリした状態のほうが、ポロっときれいに取れます。
水切れ気味の茎がしんなりした状態でやると、茎の途中でちぎれてしまいがち。
全体的に水を吸って茎がしっかりしている、葉や花は乾燥している、この二点を確認してから取り除いていきましょう。

茎の付け根から取り除こう

シクラメンでも地表から水をやろう

シクラメンは基本底面給水、水やりは水をはった容器に鉢をいれて底穴から水を吸わせます。
でもそれでは土の中で肥料分の濃淡ができ、球根に悪い影響を与えます。
シクラメンはわりと乾燥に強く、水切れしてからでも適温の日陰でたっぷり底面給水すればもとに戻ります。
液肥にしても置き肥にしても、上からの水の方が均一に土に馴染みます。
地表から水をやるのは土を球根に良い状態に整えるためです。

良く晴れて乾燥した日には、球根周囲の土に上から水やりをしてやりましょう。
メネデールの薄い水溶液をやっても効果的です。

この時注意するのはなるべく球根と葉や花の付け根を濡らさないようにすること。
腐敗の原因になります。
でもシクラメンには株の周囲に水やりするスペースがないのが普通です。
私は百均のマスタード入れを使って、シクラメンの株元に突っ込むようにしてよく確認しながら水やりをしています。
この作業は晴れて乾燥した日の午前中にやると、球根を濡らしてしまってもその後夜までに乾いてしまうので安心です。

寄せ植えにするともっと水やりスペースがなくなる

ガーデンシクラメンもシクラメンもポイントは生育適温と日光

ガーデンシクラメンの生育適温と日光

ガーデンシクラメンの生育適温は5℃~18℃くらい。
大型シクラメンより低温に強く、ある程度なら温度変化にも順応してくれます。
寒さに強い印象ですが、低温すぎたり日光が足りなかったりすると花芽があがりません。
真冬に屋外に鉢を出しておくなら、軒下の棚上などで管理してください。
それでも花が咲かない時は、液肥とメネデールをやる回数を増やしましょう。

大型シクラメンの生育適温と日光

室内管理を前提とした大型シクラメンの生育適温は13℃~18℃くらい。
大型シクラメンはとにかく温度変化に弱い。
暖房の風が当たる場所や窓際でぐったりさせてしまい、慌てて屋外へ出す方がおられますが、これは却って逆効果です。
ぐったりした時はまずは水分が足りているかを確認し、足りていなかったらメネデールを底面から吸収させつつ、適温の日陰に移動させて下さい。
日に当てる時はレースのカーテン越しなど、いきなり温度が上がらないように気をつけて下さい。

シクラメンは多年草として楽しもう

シクラメンは環境さえ整うととても強い花です。
ただホルモン処理や矮化剤など、出荷時までの薬品処理されている状態から、家の環境に馴染むまでが難しい。
最初が一番キレイで徐々に花が減り、ワンシーズンの消耗品として捨ててしまうのはこのためです。

活力剤を利用して、球根そのものに本来の生命力を取り戻してやりましょう。
そうすれば花芽がどんどん上がって花が増えていきます。
力のついた球根は春に休眠し、夏越しして来年もかわいい花をもっとたくさん咲かせてくれます。
球根も毎年大きくなっていきます。
今年からシクラメンは捨てずに多年草として育ててみませんか?