エディブルフラワー、食用花の現実を見よう
「エディブルフラワーを育てたい!」そうおっしゃる方は多い。
どの花がおススメですか?とよく聞かれますが皆さんエディブルフラワーに期待し過ぎ!
話を聞いているとホウレンソウ並みにガンガン食べられると誤解している方もおられます。
エディブルフラワーはあくまで食べようと思えば食べられますよ、というノリです。
それ自体がとても美味しい、ぱくぱくイケちゃうというわけではない。
美味しいエディブルフラワーというと桜やスミレの印象ですが、実際は塩漬けや砂糖漬けにするひと手間がかけられています。
花蕾を食べるブロッコリーやカリフラワーも広義ではエディブルフラワーなのですがこれは例外です。
花も葉も食用になるナスタチウム
その中で注目していただきたいのがナスタチウム。
ナスタチウムは花も葉も生で食用になり、見た目もとても可愛らしい。
味は辛子のようでサラダや和え物のアクセントにハーブ感覚で使いやすい。
魚の生臭さも消してくれます。
「食べようと思えば食べられる」から一歩踏み込んだ食用花です。
家庭でも育てやすく、料理にも使いやすい。
一番手軽で現実的なエディブルフラワーといえるでしょう。
ナスタチウムは花期が長く高温に強い
私はナスタチウムをずっと種まきして育てています。
夏の暑さに強く40℃近い高温にも枯れません。
真夏は花が減りますが、5月から11月まで約半年、次々と花が咲いてくれます。
夏に咲いてくれる花は食用でなくでも貴重です。
話は少しそれますが、地球温暖化は本当に深刻で夏に育たなくなる花がどんどん増えています。
これは園芸をやらない人はわからない。ことの深刻さが実感できないのです。
温暖化に伴い虫の被害やウイルス病も変化しています。
昔の園芸本が全く役に立たない場合もあります。注意が必要です。
ナスタチウム 種購入時の注意
苗は出回る年と出回らない年があるので種の確保は大前提となります。
でも種の購入には注意が必要!ナスタチウムは種の当たり外れがあります。
ナスタチウムの種は有効期限内であっても保管が悪ければ全く発芽しないことも珍しくありません。
私は変わった花色が欲しくて海外から個人輸入で種を購入しますが、海外種苗会社の種は発芽率が低いものが多いです。
出来れば日本の種苗会社のものを買う、ネットで予約し少しでも新しい種を多い目に購入する、買い足さずに保管は自分で行うなどの配慮が必要でしょう。
店頭で長期間直射日光に晒されていたり、屋内管理でも雑貨感覚で販売されている店の種は避けるべきです。
また種袋の中でさらにポリやアルミの内袋にはいっている種苗メーカーのものを選ぶようにしています。
ナスタチウムは花後簡単に種取りが出来ます。
完熟で自家採種したものは発芽率が良いので可能なら種取りをして下さい。
シーズン前にネットを徘徊する必要もなくなります。
ナスタチウムの発芽のコツ
ナスタチウムは紫蘇と同じでポットに丁寧に種まきするより土にばらまいて放置した方が良く発芽します。
こっちが何袋も種まきして苗作りに苦労しているのにしれっと去年のこぼれ種から発芽するところも、発芽さえさせれば勝手に大きくなるところも紫蘇に似ています。
テキストにはナスタチウムの種は一晩水につけておくとありますが、私の経験ではこれはあまり効果なし。
乾燥した種をポットではなくプランターバッグや地面などに直接深めに種まきし、土に水分を含ませた方が発芽率が上がります。
うまく条件が整うと撒いても無駄かな…と思っていた粒の小さな種でも発芽します。
双葉が出ればもう楽勝です。
双葉のうちなら移植してもその後の水やりをちゃんとすれば大丈夫。
私は上の写真のように本当に雑に発芽させてから移植しています。
大きく育ってから移植する場合は、地上部の葉を減らして下さい。
梅雨時には挿し芽もできますし、伸びた芽をコップに入れておいても根が出てきます。
花後もしばらく植えておけば勝手に種が出来ているお世話要らずのエディブルフラワー。
ナスタチウムにぜひ一度挑戦してみて下さい。