そっくり!身近に起きるニラと水仙の食中毒

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毎年ニュースになるニラと水仙の食中毒

ニラと水仙を間違って食べる食中毒のローカルニュース、聞いたことないという方はいないと思います。
有毒植物を誤って食べる代表の水仙。
知識としてはみんな知っているはずの食中毒なのに毎年起こるのは何故なんだろう。
ニラと水仙の実物を比べてみようと思いました。

ニラ

2束108円でした。
高知県産。おいしそう。

家庭菜園でニラを育てる気が失せる2束108円。安かったです。
家で育てるニラはスジスジになりがちですが買ったニラはとても柔らか。

水仙

水仙は一万種以上ある品種がありますが、なんとほぼ全部が有毒。
葉はどれもまっすぐで特徴がなく良く似た形です。
そこら中に生えていて一番よく目につくのは日本水仙でしょうか。
河原や校庭、空き地なんかに咲いてますよね。
我が家にも植えた覚えもないのにちゃんとありました。

右が日本水仙の花。よく見かけます
我が家にもなぜかある。ワサワサ
水仙の葉

ニラと水仙、比べてみよう

そっくり!

ニラと水仙、考えていた以上にそっくり。驚きでした。
ニラは晩ご飯のお菜に使うつもりだったので怖くて束ねてあるゴム紐を取ることが出来ません。
最初は見比べて両者の相違点をお伝えしようと思っていたのですがとんでもないです。
頭で考えているのと実際目の前で並べて比較するのは全く違う。
私なら違いが分かるのでは?と考えていたのですが全く見分けがつきません。

混ざるとニラと水仙は匂いでもわからない

「ニラと水仙」の食中毒、匂いで分るでしょう!と思われる方も多いと思います。
私も最初はそう思いました。
調べると食中毒は「ニラと水仙が混ざって収穫された」ことにより起こっています。
この「混ざる」が曲者なのです

ニラは独特の匂いがキツイ野菜。
上の写真を撮っている時点でもう全体的にニラの匂いがしています。
こうなると水仙の葉もニラの匂いがしている気がしてしまうのです。
手にもニラの匂いがつくし鼻も効かなくなってきます。
結局全部がニラの匂いがするような気がして、混ざったニラと水仙を選り分けるのなんて絶対無理、不可能だと思いました。

水仙の花は短期間しか咲かない

ニラと水仙の花は全く違います。いくら何でも花が咲いていれば区別はつきます。
ただ花はいつも咲いているわけではありません。

ニラは探すとそこら中に自生しているし、結実して種が勝手に散らばります。
そして多年草なので株は勝手に増えて大きくなります。
水仙も植えっぱなしでいつの間にか増えていく性質を持っています。
ともに植えっぱなしでどんどん増えるニラと水仙。
他の植物との境界があいまいになっていきますが、いちいち気にする人はないと思います。
ニラと水仙は同じ場所にあると混ぜて摘んでしまいがちな条件が揃っているのです。

家庭菜園愛好家がニラと水仙の食中毒を防ごう

野原に自生しているニラ、いわゆる「野良ニラ」を抜いて食用にしたり家で増やそうとする方がおられます。
アウトドアやキャンプ飯などの流行に乗ってでしょうが、自己判断は本当に危険です。

「野良ニラ」はあくまで自生、ニラだけが固まって生えているわけではありません。
野原には日本水仙がそこら中に生えています。河原の水仙、見たことありますよね。
水仙の花の時期を過ぎればもう判別は専門家でない限り無理です。
両者が混ざっていない保証はどこにもありません。

野草を食用にする時は知識のあるリーダー指導の下以外はやってはいけません。
子どもが真似をしたら取り返しのつかないことになるかもしれません。

ニュースを読むと気になる記述がありました。
「ニラと水仙の食中毒は野菜を育てる高齢者の家庭で多い」という部分です。
おそらく知識があっても判断力が鈍って起きてしまうのでしょう。
夕方で薄暗かったり雨だったりしたら若い者でも区別はつきません。

人間誰でも年を取って判断力が落ちていきます。
我が家には日本水仙があるのでニラは栽培しないことにしています。
逆もあり。ニラを栽培したいなら水仙を近辺から徹底的に排除するのが必須です。
これを周囲の家庭菜園仲間に呼びかけていきましょう。
そして自作のニラは人に上げない、人から貰わない
心苦しいけど常識にしていきたいと思います。

家庭菜園をやっている私たちだからできることってある。
まずは自分で気を付ける。
それからちょっと他人にもお節介する。
これが遠回りでもニラと水仙の食中毒を減らすことに繋がるはずです。
私も勇気を出して注意を呼びかけていきたいと思っています。