パックリ割れを防げ!4月からのパンジービオラの切り戻し

パンジービオラのパックリ割れとは?

最近のパンジービオラは冬中開花するのが当たり前となってきました。
加えて温暖化が進んでいるために、4月に20℃を超える数日が続くとパンジービオラは一気に蕾を上げてくさんの花を咲かせます。
這性ならそうでもないのですが、立性のパンジービオラの場合は一度に蕾が上がるとパックリ割れて中心に穴が開いたようになってしまいます。

このパックリ割れは水やりしたり雨が降ったりするとより酷くなります。
花に水滴がついて先端が重くなり、茎にクセがついてもとに戻らなくなる。
そうなる前に切り戻し、パックリ割れを直してキレイなドーム型に戻してやりましょう。

パンジービオラの4月の切り戻しに注意

パンジービオラの切り戻し、3月までにもやっておられるかと思います。
節の上で茎を切って全体的に小さくし、株を再生させるのが通常の切り戻しです。

でも通常の切り戻しを4月にやるのは危険です。
一時的に花がなくなるので、株が盛り返さないままパンジービオラのシーズンが終わってしまうのです。
パンジービオラは一年草。
一年草の栽培後半は、株再生のつもりでやった切り戻しが撤収を早めることになってしまう。
パンジービオラの4月の切り戻しは再生ではなく「延命」が目的の切り戻しになります。

株を軽くする切り戻しとは?

花を絶やすことなくパックリ割れを防ぐには、株を軽くする切り戻しが効果的です。
株全体を小さくすることなく、伸び過ぎている茎や先が重くなり過ぎている茎を切り戻す。
株を透かして軽くし、先端が重くなっている株の重心を下げるイメージで行います。

写真はわかりやすく茎を切り取っていますが、株についていると思ってください。

通常の切り戻しなら青の所でカットするところですが、4月なのでそれはやめておきましょう。
茎を重くしている先端の赤丸の芽を切り取って軽くします
咲き終わった花殻も取りましょう。

黄丸部分にも小さな芽が出ています。
この芽の蕾が咲くのを待ちましょう。
この時先端の花を取ってしまうと、花がなくなることでか却ってその場所が目立ってしまいます。
バトンタッチで下から蕾が上がるまで先端の花はつけておきます。

この赤丸の花も咲くと倒れる重さの原因となるのでカットします。

先端の花を楽しみつつ、茎を軽くして黄丸部分の蕾が咲くのを待ちます。

全体を切り戻さずに2~3割のみを軽くする

この軽くする切り戻しは全体にやるとスッカスカの貧弱な株になってしまいます。
倒れがちな部分を重点的に全体の2~3割程度に留めてください。
倒れるクセがついてしまったところだけでもOK。
最初は透けてしまってこれでいいのかと不安になりますが、軽くなった分株の中まで日が当たって意外と早く芽が育ちます。
全体の3割未満のことなので、株にも負担が少なく成長が一段落した一年草にもやさしい切り戻しです。

パンジービオラは4月5月の高温で弱り始める

最近は気温が高いので、4月になると連日20度を超え、夜も温度が下がらなくなります。
パンジービオラは気温が20度を超えるあたりから株が弱り始め、暑い年の5月ならもう新しい蕾はほとんど上がってきません。
5月に咲いているパンジービオラは4月に上がった蕾ということになります。

この時期のパンジービオラを切り戻して再生させるのはとても無理。
切り戻しは再生ではなく延命しするという観点で行いましょう。
風通しを良くし、日光にも当てて最後の蕾まで咲かせてから撤収したい。
そんなときに気温を恐れて鉢を日陰に移動すると、ヒョロヒョロと徒長してますますパックリ割れが進行してしまいます。

全体の2~3割の茎を軽くする延命の切り戻しは、パンジービオラの最盛期を邪魔することなく株の寿命を延ばす最終段階のお手入れと思ってください。

過去の習慣に囚われない

今でもテキストによっては4月に切り戻しができると書いてあるものもあります。
たしかに昔の2月頃から咲き始めるパンジービオラで、温暖化が問題になる以前なら可能だったと思われます。

今出回っているパンジービオラは冬中咲く品種が中心であり、4月でも20℃を超える時間は長くなる一方です。
4月中旬以降に起こりがちなパンジービオラのパックリ割れ。
ぜひこの切り戻しで株を守ってやりましょう。
またいくら株に負担をかけないとはいえ肥料切れは禁物です。
花芽をサポートするためにも軽く追肥をして肥料切れになることがないようにしてください。