鉢花は『観賞用』と『育成用』で区別しよう!

「観賞用」か「育成用」かで植え方が変わる

季節を通じ、毎年記録を更新して気温が上がっています。

庭では気温が高すぎるため、露地植えの花を鉢上げし、鉢で育てるガーデナーさんが増えています。
鉢なら遮光ネットに入れたり日陰に移動することが可能になり、後の管理が断然楽になるからです。
私も今まで庭に地植えしていた花を、プランターバッグに植えることが多くなりました。

鉢に花植えるとなると、つい寄せ植えっぽくあれこれ植えたくなります。
でも寄せ植えの感覚で花を鉢に植えてしまうのは危険。
その後育たなくなってしまうこともあり得ます。

花の育成が目的なら、長期間花が快適に育つ環境をつくる必要があります。
鉢に花を植える場合、その目的が「観賞用」か、その花を育てて維持したい「育成用」かを分けて考えましょう。

寄せ植えは長持ちしない

観賞を目的として植える鉢花は、株元の土が見えないように植えます。
花苗の間に適正な間隔を空けず、咲いた花がまとまるように密に株を近づけます。
寄せ植えの花はたとえ鉢植えであっても、花にたまたま根っこがついている花束だと思ってください。

作ってから3か月程度で解体するのが普通なので、大きく育てるという発想はありません。
3か月綺麗に咲いてくれれば充分なのです。

根鉢を崩して成長の余地ななく植える寄せ植えは、実際の自然とは異なる状態です。
育成とは対極の状態にあります。

育成用なら花は一鉢一株

花を鉢で育成するなら、苗は基本的に一鉢に一株植えてください。
なにしろ育成が目的。そのままその鉢で数年花を育てるので、成長の余地を考えます。

鉢のサイズは苗のポットサイズより1号か2号大きいもの。
一回りとか二回りとあやふやな表現をしているテキストが多くて困りものですが、号数で考えるようにしましょう。
直径9cmの3号ポットの苗なら、4号か5号の鉢がおススメです。
ならばともっと大きな鉢に植えたくなりますが、大きすぎる鉢は根腐れの原因になります。
水やりした後の水の乾き方が、鉢と地植えでは少し違います。
苗をいきなり大きな鉢に植えるのは避けてください。

最近は一株で大きく広がるように改良された花が増えています。
マーガレットやカリブラコア、ルドベキアなど、花が咲く時期は地上部が大きく育ち、観賞用として飾ることができます。
一鉢一株植えなら、休眠期の防寒や、根が廻った時の植え替えや土交換も楽にできます。
私は、育成しつつ装飾としても使えるこの手の花が一番好きです。

※ 鉢のサイズは一号3cm。3号ポットは開口部の直径が9cmのポットということです。

育成用なら品種を混ぜずに同一品種を植える

大きめのプランターでなので複数株植えたい場合もあります。
花の種類は同一品種に統一しましょう。
注意すべき病気、切り戻しや施肥のタイミングが同じ花でないと世話が大変です。
冬越し用の防寒カバーをかける時期、休眠期の水切りなどが同じでないと維持できません。

植え付け時の株の間隔にも気をつけてください。
ラベルを確認し、成長の余地を空けた間隔をとること。
私は表記がなければ、一鉢植えならどのくらいの間隔になるかを考え、ほぼ同等にしています。

消える球根も鉢で育成しよう

植えっぱなしOK!という球根を買って庭に植えているのに、いつの間にか消えている…
私は毎年これを繰り返しています。
夏の高温多湿に球根が耐え切れなくなり土中で腐るためなのですが、温暖化につれて腐る球根の品種が増えています。

球根も鉢に植えるようにすると、夏越しが簡単になります。
同一種の球根を鉢に植え、花後の施肥や水切りを徹底しましょう。
植えっぱなしできるような強い球根なら、楽に夏越しできますし、徐々に球根も増えていきます。
秋植えのクロッカス、フリージア、スノードロップなどは、鉢で育成した方が消えることなく花が咲きます。
一斉に咲くと充分に装飾用に使えます。

上の写真はクロッカスです。
地植えにするといつの間にかなくなってしまいますが、鉢に植えると管理が楽。
育成用と観賞用を兼ねた鉢植えです。

まとめ

鉢で育成するのに向いているのは、多年草や植えっぱなしの球根類です。
庭では冬越しが難しいマーガレットやセンニチコウでも、鉢管理で防寒すれば意外と上手く育ちます。

育成用の鉢やプランターは、花の咲かない時期にはつまらなく感じてしまいます。
地上部が消える多年草などは、存在すらも忘れてしまいがち。
でも何年も育てることで、とても愛着が湧いてきます。

すべての花苗を育成する必要はありません。
一年草は買った方が気軽にいろいろな種類を楽しめます。
花苗を次々買うのも楽しいし、何年もそばで咲いてくれる多年草も可愛い。
多年草が庭で育ちにくくなったら、ぜひ鉢で育てるという選択肢を忘れないでください。
多年草を鉢で上手く育て、10年以上花を咲かせているガーデナーさんがたくさんおられます。

ガーデニングは天候に左右されるので、時には気持ちが凹むこともあります。
でも枯らすことを怖がっていてはなにもできません。
いろいろな育て方を工夫して、いろいろな花を楽しみましょう。