休眠期は地上部が消える原種シクラメン
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マメな人は毎年するであろう原種シクラメン・コウムの植え替え。
やらねばやらねばと思いつつ数年たってしまいました。
上に雑草やらスミレが蔓延り、ついに苔まで出てきてしまった。
これでは水はけも悪くなっていると思われます。
私のテキストには植え替えは9月とありますが、台風シーズンの前がいいかと8月中旬ですがやることにしました。
地上部が消える夏から秋の休眠期だったら、時期にこだわる必要はないのかしらとも思います。
家には原種シクラメンが数品種ありますが、コウムは一番丈夫な品種です。
他の品種はもうちょっとマメに植え替えしています。
原種シクラメンはこぼれ種から球根ができる
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バーンと鉢をひっくり返すとさすがコウム、腐って消えることなくちゃんと球根が残っていました。
コウムの球根は平べったい円形、表面はなめらかです。
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原種シクラメンはこぼれ種で親球根の周りに小さな球根が出来ます。
採種して撒くよりもこぼれ種の球根の方が状態が良いのが普通。
数年植え替えていないだけあってこぼれ種の球根もそこそこ大きくなって扱いやすいです。
こぼれ種の球根を確実に大きくしたいなら、植え替えは毎年でない方がいいのかもしれません。
今回数鉢植え替えしましたが、5㎜~1㎝ほどの球根が50個以上出来ていました。
原種シクラメン植え替え時の根の処理
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上の写真が球根を抜いたそのままの状態。
古い細かい根が無数についています。
引きちぎるのはいけませんが、やさしくほぐして取れるところは取ってやります。
深追いせずにザッとでOK。
無理にちぎると傷になりそこから腐る原因になります。
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すっきりしました。
これくらいならちゃんと土に触れて植えることができるのでこの辺でやめておきます。
この時点で球根の一部が腐っているのを発見する場合があります。
以前は薬品処理していましたが、10月11月の気温が高いために結局腐ることが多い。
関東以北や庭が涼しいお宅なら救済できることもあるでしょうが、関西以西なら他に腐敗菌が移らないうちに廃棄した方がいいと思います。
原種シクラメンを植える鉢と土
原種シクラメンに過湿は禁物。
プラ鉢や陶器の鉢では水分が鉢穴からしか抜けないので不向きです。
側面や底面からも水分が蒸発する素焼き鉢か、手前味噌ですがgrowfood365のプランターバッグ のようなものが最適です。
山野草の育種家さんに伺うと、駄鉢のような素焼き鉢でも長年使うと通気性が落ちるそうです。
デリケートな蘭などを育てる時は気をつけて下さい。
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今回はプランターバッグ3L を折り込んで使います。
原種シクラメンに深さは必要ありません。
むしろ深いと過湿の原因となりかねないので半分に折り込んで使って下さい。
素焼き鉢なら平鉢で十分です。
土は水抜けのいい硬質赤玉土や東洋蘭の土が最適。
最近硬質赤玉土の質の良いものが手に入りにくいので私は東洋蘭の土を使うことが多いです。
原種シクラメンの植え方
原種シクラメンは少し窮屈くらいの間隔で植えて下さい。
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私はこれくらいの間隔で植えています。
間隔が狭い方が土の中が過湿にならず、花が咲いた時も隙間ができないので見栄えがします。
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葉もたくさん出るので花後の種も散らばる心配がなく、こぼれ種の球根もたくさん育ちます。
球根はよく見て上下逆さに植えないように注意しましょう。
水やりの必要がない原種シクラメン・コウム
原種シクラメン、休眠期には冷涼な日陰に置いて下さい。
品種によっては休眠期に全く水分を与えてはいけないものがありますがコウムは雨ざらしでかまいません。
活動期には水やりが必要なのですが、私は雨の当たる半日蔭に置いているので実は水やりも全くしていません。
水分は雨まかせです。
球根は全部うちの庭で種から育ったものなので、水やりは雨だけという環境に適応しています。
原種シクラメン・コウムの肥料のやり方
私は原種シクラメンには肥料もやっていません。
試行錯誤しましたが、肥料をやらない方が球根が長持ちします。
用土にマグァンプKを混ぜると球根の太りが飛躍的に早くなりますが、その分球根の寿命も短くなります。
短期間で大きくなった球根はすぐに腐って気が付くと消えてなくなっています。
原種シクラメンの球根にはサイクルがあり、肥料なしで大きくした球根でもある程度で腐って消えてしまいます。
その時に次の球根がこぼれ種で育っていてくれないと栽培が終わってしまいます。
次世代の球根を充実させたい時は、種をたくさん作るために蕾が上がった頃から極々薄い液肥をやって下さい。
普段肥料をやっていないので少量でよく効きます。
花が確実に結実し、たくさんこぼれ種ができますよ。
原種シクラメン・コウムの球根の寿命
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原種シクラメン・コウムに限らず、原種シクラメンは球根の寿命がとても長いです。
10年以上花を咲かせることも珍しくありません。
年々少しずつ大きくなり、涼しく乾燥した環境なら関西以西でも直径10cmくらいまで大きくなります。
最近は四季を通じて温度が上がっているので、原種シクラメンは品種により育ちにくいものが増えてきました。
そんな中でもコウムはとても育てやすい品種です。
肥料を与えれば球根は大きくなりやすいですが、寿命は短くなります。
わたしはできるだけ直径7cmくらいまでにとどめておくようにしています。
あまり大きくしなくても花数は十分ですし、植え方で見栄えは調節できます。
おもちゃのように球根を太らせて楽しむのではなく、長く咲かせて楽しみましょう。