炎天下にペチュニアを育てるコツ

夏の庭仕事は熱中症の原因にも

年々暑くなる日本の夏。

今年(2022年)は6月から最高気温が40℃を超える日が続き、異常な高温に拍車がかかってきています。
私の住む関西でも、天気予報の最高気温は37℃であっても庭で気温を測ると普通に40℃越え。百葉箱の中で測る気温と体感は違います。
これでは庭の手入れを必要最小限に押さえないと身体が持ちません。

夏に植える花の選択肢が狭まったと頭を抱えているときに有難いのがペチュニアです。
ペチュニアはナメクジ被害が多いのであまり好きではなかったのですが、この際そんなことは言っていられない。
ペチュニアを植えていて気が付いたこと雑にをまとめていきます。

ペチュニアを地植えする場合のポイント

夏はペチュニアには地温が高過ぎ

ペチュニアは暑さに強いとはいえやはり限度があります。
最初は勢いよく広がりやはり地植えは良く育つわーと感心していても、豪雨の後の高温で見る見る弱って蒸れて枯れてしまう。こんな経験ありませんか?
原因は地表の高温からくる蒸れ。
地面から30cmほどは気温よりずっと温度が高いんですよね。
高温が続くと雨上がりの湿気で見事に蒸し上がってしまいます。

  • 地植えなら必ずバークチップを敷いて通気を確保
  • 日中数時間は陰になる場所

上記2点は必須です。以前はペチュニアが秋までよく育っていた場所でも温暖化で条件が変わっています。
よく考えたら陰になるひまわりを植えていたけど今年は植えていない…とかなら要注意です。

バークチップは必ず全ての葉が上に広がるように、中に葉が埋まらないように敷いて下さい。
バークチップを敷くと強い雨の時の泥の跳ね返しも防げます。
泥の跳ね返しって株は汚れるし病気の原因にもなります。
特にペチュニアは葉にちょっと粘着性があるので一度泥が付着するとなかなか汚れが落ちません。
大抵はジョウロで水をかけるとサラサラときれいになるのにペチュニアの泥汚れはなかなか厄介です。

あと生育とは関係ありませんが

  • 花殻摘みや枯葉取りが辛い場所はNG

私はこちらの理由でももう地植えは無理だと思いました。
炎天下、焼けた地面に這いつくばるの辛いですよね😭

ペチュニアの切り戻し。やり過ぎに注意!

ペチュニアは小さく切り戻しても1か月もすれば新しい葉が広がりまた蕾が付きます。
でも体感温度40℃超えが続くと話は別!
マメに切り戻した方が良いのではと思いがちですが、水分を蒸散してくれる葉をある程度残さないと根っこが蒸れて根腐れを起こしてしまいます。
切り戻しが原因で枯れてしまうのです

夜も気温が下がらない日々が続くと生長のスピードも落ち、ダメになる茎も出てきます。
切り戻したまま弱り新しい葉も出てきません。
高温の年に花姿にこだわって切り戻しを繰り返すと、生長が追い付かないうちにシーズンが終わり結局少ししか花を楽しめないまま撤収となります。
40℃を超える夏、あまりに天候が不順な夏は花姿にこだわるのはやめましょう。
花を楽しみつつ元気な葉を多めに残した軽い切り戻しの方がいいと思います。
花を楽しめなければ本末転倒ですもんね。

きれいに切り戻したのになぜか三角形に広がった上の写真のペチュニア。
超高音の日が続いているので切り戻しは下の写真くらいにしています。
花姿を緩く整えただけです。
花も楽しめて回復も早い。株が枯れる心配もありません。

ペチュニアの濃色の花に注意!

ペチュニアは花色の幅が広く、他の花では見られない濃い紫や黒に近い花があります。
私もこういった花色が大好きなのですが、濃色の花を雨に当ててしまうと花色が漂白したように褪せてしまいます。
雨に当たったのが蕾であっても咲くと白い斑点が出てきます。
結構目立つので雨に当たる場所には濃色は向きません。

そして真夏に起きる現象!
八重の濃色は白や薄いピンクより花が早く萎れてしまいます。
日光を吸収するので負担がかかるのかもしれませんね。
雨の後、溶けたようにダメになる花の数も濃色の方が多いです。

淡い色の花ならこの斑点は気にならないので、軒下に入れる予定がないなら淡色系の花がいいかもしれませんね。

ペチュニアの八重と一重は性質が違う

ペチュニアの八重はしっかりとした茎で縦のボリュームが出る

ペチュニアの花は一重と八重があります。
八重は本当に見事!今年は花も葉も大きめの八重の苗が安く(200円前後)売られていてびっくりしました。
ほんのり良い香りがする花色もあり、定植後も一重の葉の小さな品種より勢いよく大きく育ちます。
勢いよく育つがゆえに全体の姿は乱れがちですが、茎が太く葉が大きいのでスカスカした印象がなく縦のボリュームが取りやすいのが特徴です。

どんどん茎が育つので伸びた茎を鉢から垂れ下がるように仕立てようと思っても、茎太くて弾力がないのですぐ茎が折れてしまいます。
バスケットなどで吊り下げるような植え方には向かないと思いました。
葉が大きいので枯葉を取り除く作業はとても楽ちん。
切り戻しからの回復もとても速く、花もムラなく咲きます。
以下に書きますが花殻摘みさえなければ…、そう、花殻摘みがネックなのです。

ペチュニアの八重の欠点!花殻摘みが面倒

八重のペチュニア、ごく薄い液肥を毎日やると大きくて豪華な花を次々と咲かせてくれますが、花殻摘みがそれはそれは面倒です。
一重なら枯れて勝手に下に落ちるので、小花なら花殻摘みが必要ないくらいの株がありますが八重はそうはいきません。
八重の花殻は周囲の葉にまつわり貼りついてしまい、早めにとらないと茶色の汚れくっついてなかなかとれません。
花にボリュームがあるが故、花殻にもボリュームがあってめちゃくちゃ目立つのがまた厄介。
茎が太くて片手てキュッと取るのが難しい。面倒ですが両手作業になります。

私がペチュニア八重を植えるなら絶対に地植えは避けたいという理由はコレ。
この作業は鉢やプランターを日陰に持って行ってやらないと倒れてしまいます。

茎が太いから片手でちぎれない!
八重は花殻の存在感デカイ

ペチュニアの一重は横に広がり花の咲き方にムラができる

ペチュニアの一重はお馴染みの横に広がる咲き方をします。
勢いがあるのできれいな円にならないし花の咲き方にもムラができ、花のない部分が出来てしまいます。
私はこれを均一にしようと切り戻しを繰り返し、見せ場がないままシーズンが終わってしまう失敗をやってしまいます。
切り戻しの後花が咲くスピードは茎の太い八重の方が早く、一重は茎や葉が細く繊細なためなのか蕾の立ち上がりに全体的に時間がかかります。

ペチュニアの一重は花殻取りをしない選択肢も

ペチュニアの一重の場合花殻は小さく縮みます。
小花ならもう花殻取りは必要ないのではと思っています。
気候の良い時期なら花を愛でながらの花殻取りも楽しいのですが、陽が落ちても汗が噴き出るような真夏にやることではありません。
私は暑い期間のペチュニアの花殻取りは八重だけにしています。

もうちょっと枯れれば下に落ちる

ガーデニングは自分が楽しけりゃいい!

家庭菜園やガーデニングは体力を使う趣味です。
完璧を目指して無理を続けるとだんだん負担に思えて厭になってきます。
せっかく巡り合った趣味、細く長く続けていきましょう。
自分の体温より気温が高いわ、湿度はムンムンだわの時期にじっくり取り組むなんて無理!
一刻も早く終わらせてエアコンの効いた部屋で水分を摂るべきです。

日本の真夏に花を育てているってだけでもう充分、魔法が使えているレベルだと思いませんか?
無理をしない、嫌なことはしない、できないことはできないで何が悪いんでしょうか。
花も庭も逃げません。一番大事なのはあなたの健康です。
夏は気楽にガーデニングを楽しんでいきましょう!