自治体推奨の簡易キエーロで絶叫(2)

土を入れ替えて順調だった簡易キエーロ

自治体推奨の簡易キエーロで絶叫(1)で失敗したのはひとえに赤色黄土のせいです。
微生物のいないガサガサの工事現場で見かける赤黄色土がセットで配布されたからです。
簡易キエーロの容器自体に罪はないはず。
使い古しの培養土、市販のキエーロ用の土、発酵促進剤のブレンドに切り替えると、どんどん生ごみが分解されていきました。
繰り返すようですが簡易キエーロに赤黄色土なんてとんでもない話です。
この時点で同時期に簡易キエーロを配布された家庭で、律儀に使い続けているのはもう私くらい。
市ももうちょっと考えて欲しいと思います。

市販のキエーロ用のベースの土とは段ボールキエーロ用の土として売られているものです。
びっくりするほど軽くて土というよりピートモスの方がイメージに近いでしょう。
50Lの袋でも指先だけで持てました。

簡易キエーロにだんだん募る違和感

私は自分で作っているプランターバッグでもコンポストをやっています。
こちらは家庭菜園の土のみでやっていましたが、キエーロの土を大量に買い過ぎたので簡易キエーロと同条件でプランターバッグでもコンポストを始めていました。

最初のうちは双方上手くいっていたのですが一ヵ月程で違いが出てきます。
簡易キエーロの方が水分の抜けが悪く中の温度が高くなるのです。
プランターバッグは側面からも底面からも満遍なく通気があり水分が抜けます。
その違いは大きく、簡易キエーロは頻繁にかき混ぜないと嫌なニオイがするようになりました。

いろいろ調べてみると簡易キエーロは段ボールが多い。
簡易キエーロとは底があり地面に設置しない箱型タイプのキエーロです。
本格的なキエーロは側面となる枠だけ、底がない筒形で設置した地面が底となります。
畑でよく見かけるプラスチックコンポストと同じ原理です。

段ボールのキエーロには水分を吸収したり外部に放出する機能がありますが、市から来た簡易キエーロはプラスチックプランター製です
側面に通気性はなく、底の排水は水抜け穴だけです。
この水抜け穴の位置が悪く、水が抜けきっていない感じです。

一見順調に見える簡易キエーロが臭い

見たところ生ごみは分解されていて問題ない。
けれど同じ条件のプランターバッグコンポストは腐敗臭がないのに簡易キエーロには腐敗臭がする。
そしてその腐敗臭は日々強くなっている。
絶対おかしい。
飛ぶはずのない銀蝿も飛び始めてもう見て見ぬふりは出来ない。
再び中身を全部出すことにしました。

スコップで中の土を出すに従って強くなる悪臭。
上の土は攪拌しているのでふんわり適度に乾燥していますが底の土はじっとりと水分過多。
そして腐敗臭はどんどんひどくなります。
とにかく全部の中身を出しました。
するとスノコの下の様子がおかしい。何かが詰まっています。

簡易キエーロ
記念に置いている水抜けネット
裏にぎっしり…

簡易キエーロでそりゃ絶叫するよ!

勘のいい方ならもうお分かりだと思いますが、プラスチックプランターの水抜けネットの下にはぎっしりとウジ虫が湧いていました。
もう頭のてっぺんまで鳥肌が立ちました。

よく考えるとここはウジムシにとって楽園のような場所です。
発酵した生ごみの水分が上から落ちてくる。
ある程度貯まれば水抜け穴から抜けますが、位置が悪く一定の汚水は常に溜まっている。
外敵もいない。水抜け穴から出入り自由。
繁殖の条件が全て揃っています。
水抜けネットの下の空間は水アブや蠅のために整えてやっているようなものでした。

私も意地になってその後試行錯誤しましたがどうしても無理。
コンポストの中に空間ができると絶対ウジ虫が湧きます。
だから従来のコンポストやキエーロは地面を底としているのです。
ちゃんとした理由があるからなのですね。

簡易キエーロは結局大型ゴミ。処分料300円

さんざん試行錯誤して毎回銀蝿を湧かした結果、簡易キエーロは処分しました。
大型ゴミ扱いで処分料は300円でした。
写真を見て頂くとわかると思いますが、波板の蓋も丁寧に取り付けてありました。
捨てるのは心が痛みましたが狭い庭では場所を取る。
活用してあげれなくてゴメンよと大型ゴミの処分ステッカーを貼りました。

市職員さん。プラスチックプランターの流用が無理

プラスチックプランターはそもそも植物の育成用。
水抜けネットが敷かれていて、底か底の側面に穴が開いています。
その穴から水やりした水が抜けるようになっているのです。
簡易キエーロに流用すると、水抜けが悪かった場合てきめんにウジムシが湧きます。

このブログを書くにあたって市役所に「使用者の声」的にこの体験をお知らせしました。
すると翌日打てば響くように

『キエーロモニターとしてご参加いただき、ご意見をいただきましてありがとうございます。キエーロは日当たりなどの設置環境や入れるごみの量、頻度によってごみ処理の状況に影響があります。直接、ご連絡いただければアドバイスできることもあるかもしれません。また機会があれば、ぜひキエーロをご活用いただければと思います。』

と定型文のお返事が来ました。
私の血を吐くような体験に市の職員さんはご興味なさそうです。

キエーロ自体は悪いものではない

ネットで検索してみると、簡易キエーロでも段ボールキエーロを活用しておられる方が多い。
私の知り合いにもベランダでやっておられる方がいます。
降り込む雨で段ボールがダメにならないようすれば、家の生ごみ全部を投入できるそうです。

市の返答で「ゴミの量や頻度」とありましたが、コンポストで化学実験をしているのではありません。
ある程度の量の生ごみが投入できないと、嵩張るキエーロを設置する意味がありません。
市の有料ゴミ袋買ってゴミにした方が楽。
簡易キエーロを渡してそれっきりではみんなの成功や失敗が共有されません。

キエーロ自体は素晴らしい取り組みだと思います。
でも本当に生ごみ削減に結び付けたいのなら、もっとやり方を変えないと税金の無駄遣いが今後も続くだけです。
今回のことで市民税を収めるのがちょっとだけ嫌になってしまいました。