寒さで花の葉が赤くなった時のお手入れ方法

秋に葉を赤く染めるのはモミジですが、冬に入ってから本来ならば緑色のまま越冬すべき花の葉が赤くなってしまうときがあります。
時期的に一年で一番気温が下がっているので、枯らしてしまったのかと焦ってしまいますが、これは枯れていうわけではありません。
慌ててあれこれいじってしまうと却ってよくない結果を招いてしまいます。

なぜ越冬中に花の葉が赤くなるのか

落葉樹のモミジの葉が赤くなるのは秋、なぜ冬に庭の花の葉が赤く染まるのでしょうか。
時期がずれているので別物と考えがちですが、葉が赤くなる原理は同じです。
葉に含まれる緑色をつかさどる色素のクロロフィルが寒さで分解され、アントシアニンという色素がつくられることで葉が赤く色づいて見えます。
本来落葉しない草花にも、気温の下がり具合によってはこの現象がおきてしまうのです。
落葉樹では秋におきるアントシアニンの合成が、冬に花の葉にもおきるんですね。
この時点で葉は傷んでしまいますが、花自身が枯れたわけではありません。

上の写真はスーパーアリッサム。
本来なら一年中葉は緑色ですが、寒さで赤茶色になってしまいました。
グランドカバーに使っている場合、寒さでの変色は避けられないですね。

まずは葉を赤くさせないようにしよう

一度赤くなった葉はもとの緑色には戻りません!

これはどういう意味かというと、春からキレイな花が咲き始めても葉は赤茶色のままです。
花は花色と葉の緑色の対比で見栄えするのに、葉色が汚くて見た目がイマイチになってしまいます。
この後赤くなった葉のお手入れ方法を書きますが、一番いいのは葉を赤くさせないことです。

もともと庭に置いている鉢花や地植えの花なら、もう寒さにはなれているものです。
特に気温が下がる日だけ、風のあたらない軒下に移動させるか、ゴミ袋を雑に被せておくだけで葉の変色を防ぐ効果があります。
チューリップなどの球根の葉が出てきてしまっている場合は、土を持ってきて厚めに被せておきましょう。
夜の間バケツを逆さに被せておけば、明け方の冷気から守ることができます。

あれこれやっても、温度差が大きくて葉を赤くさせてしまうことがあります。
気になるからといってすぐ赤くなった葉を摘んでしまうのは危険です。
以下の手順でお手入れしていきましょう。

寒い時期はそのまま置いておく

年明けから2月は一番気温が下がります。
3月も日差しは明るくなるものの、驚くような低温になり雪がちらつく日があります。
この時期に赤くなった葉を散り除いてはいけません。
赤くなった葉はまだ枯れているわけではありません。
この時期に赤くなった葉を取ってしまうと、どんどん株が弱ってしまうだけです。
2月と3月にやることは、赤くなった葉を取り除くことではなく、これ以上寒さにあてないようにすることです。

春になったら始める赤くなった葉のお手入れ

春になって新しい葉が展開するようになったら、徐々に赤い葉を減らしていきましょう。
この時に絶対にやってはいけないのは、葉を引っ張って取り除くことです。

葉は赤茶色に傷んでいても、軸の部分は緑のまましっかりしている場合があります。
うっかり引っ張ると筋を引いて、茎や他の新芽をダメにしてしまいます。
枯れているように見えても、葉を持って無理に引っ張っては絶対にダメ!
茎にしっかりくっついている葉は軸をハサミでカットしましょう。

また、一気にやると株が弱ってしまいます。
株が弱らないように、日にちをかけて作業していきましょう。

宿根イベリスやスーパーアリッサムのような葉の小さな多年草の場合、赤くなった葉は枯れ切って自分で落ちる場合もあります。
軽く手で撫でるように触って、自然落下した葉を丁寧に取り除きましょう。
落ちた葉は梅雨に入るとカビの原因になります。
葉が出そろうと取りにくくなるので、今にうちに必ずきれいに掃除しておきましょう。

この時期はどんどん出てくる新芽をサポートするために、液肥を切らさないようにします。
とにかく日に当てて葉の展開を促し、段階的に赤茶の葉を取り除きます。

イチゴの葉も赤くなるよ

花ではありませんが、イチゴの葉も赤くなることで有名です。
気になってしまいますが、赤いうちは無理に取らなくてもかまいません。
気温が上がって茶色く枯れてきたら軸の根元から切り取って下さい。
そのままにしておくと病気やカビの原因になります。