園芸培養土の水はけを改善するためには

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再生した園芸培養土における水はけ低下問題

ガーデニングに便利な園芸培養土は、土の再生材を加えれば繰り返し使用できます。
使えるは使えるんだけど、私のように10年以上になるとさすがに再生材だけで元通り!というわけにはいかなくなります。
園芸培養土のブランドによってそれぞれクセはありますが、すべての園芸培養土にいえるのは長年の使用によって確実に水はけが悪くなる。

  • いつまでも鉢やプランターから水分が抜けず、持つといつも重い
  • 同時に水やりしてるのに、他の鉢やプランターより土の乾燥が遅い
  • 湿ったところの好きなナメクジやダンゴムシが集中している

上のようなことが気になる時ありませんか?
それは土の水はけが悪くなっているというサインです
安物の園芸培養土なら最初から水はけが悪いものもあります。

園芸培養土の水はけが悪くなる原因

最近の主流である軽い園芸培養土はピートモス、ココピート、バーク堆肥がベースとなっています。
画期的に軽くて保水力、保肥力に優れていることから、ガーデニングの発展に大いに貢献しています。
ただ何年も使用することにより、原材料それぞれの繊維質がくたびれてきてしまうのです。
そうすると土の排水力が落ち、一旦水分を含むと乾きません。

園芸培養土には保水力が欠かせませんが、それに合わせて排水力も必要です。
乾かない土は泥と同じで根の呼吸を止め、最終的に腐らせてしまいます。
それを防止するために、数年に一度土の通気性を上げる土壌改良材を混ぜ、水はけを一気に改善するケアを取り入れましょう。

園芸培養土に赤玉土はもう古い

では水はけ向上のため何を土壌改良材として使うのか。

長年ガーデニングをやっていて実感するですが、めちゃくちゃ赤玉土が好きで何にでも赤玉土を混ぜなければ気が済まないって人が一定数いる。
赤玉土に罪はありません。私は赤玉土大好きです。
赤玉土はガーデニングや盆栽に欠かせない土だし、いつも使っています。
でも園芸培養土の水はけ改善に赤玉土を加えてはダメ。
赤玉土を勧めているテキストもたくさんありますが、実際やって勧めてるの?と私は懐疑的な目でみています。

確かに赤玉土を混ぜればすぐに水はけは良くなります。
ただとても重い土なので、軽さが売りの園芸培養土が一瞬にして激重の扱いにくい土になってしまいます。
赤玉土は硬質であっても数年でポロポロ崩れて微塵になります。
きめの細かい園芸培養土ではその微塵が抜けないので、数年後には重くてより水はけが悪い土ができあがってしまうだけなのです。

園芸培養土はここ20年で全く別物となっています。
古い習慣はもう切り捨てる時がきていると思います。
参考記事:土に合わせた正しい水のやり方とは?

目的を整理して土壌改良材を選ぶ

土壌改良材は無数にあり選んでいるうちに何がやりたいのかわからなくなってしまいます。
目的を整理してから選ぶと失敗がありません。
今必要な土壌改良材は以下の条件を満たしているものです。

  1. 園芸培養土の水はけを改善してくれるもの
  2. 今後も再生して使用するので、劣化しにくい性質を持つもの
  3. 軽くて園芸培養土の長所を帳消しにしないもの

赤玉土では1しかクリアしていません。
私が実際使って満足している土壌改良材を紹介します。

黒曜石パーライト

パーライトには黒曜石からつくられるものと真珠岩からつくられるものがあります。
一般的にパーライトとして売られているのは黒曜石パーライトです。
黒曜石パーライトを混ぜると一気に土の通気性があがり、水はけが良くなります。

粒状ですが赤玉土のように水分を吸収せず、微塵になって砕けることもあまりない。
空気みたいに軽くて扱いやすく、園芸培養土に入れても違和感ゼロ。
私は水はけ改善にはこれを一番にお勧めしたい。
値段も安いし、小袋が手に入りやすいのも嬉しいポイントです。

私はパーライトを挿し木挿し芽によく使ってます。成功率も高いですよ!

ひゅうが土 小粒

ひゅうが土の小粒も園芸培養土の水はけをよくします。
軽石の代用として使うひゅうが土、大粒を鉢底石として使うのでよく見ますが、小粒は水はけ改善としてとても優秀です。
ただ小粒といってもパーライトよりは粒が大きく、私は花壇の水はけ改善によく使っています。

ひゅうが土小粒も軽いので園芸培養土に混ぜても使いやすい。
鉢植えに使うと水やりで表面近くのひゅうが土が浮き上がってくるのが気になるくらいです。

ホームセンターでは小粒が手に入りにくいっていうのが残念かなー。
小粒は通販の方が買いやすいかも。

梅雨からの夏は水はけがカギ!

昔は夕立があたりまえだったので、夏のガーデニングの水やりは意外と簡単だったと聞きます。
今は全く状況が違う。
夏はゲリラ豪雨のような徹底的な雨と高温の繰り返し。
がっつり湿った土が一気に強い日差しにさらされて高温になることを想定しておかないと、水はけの悪い土ではすぐに根腐れをおこしてしまいます。

花は寄せ植えで土が見えないように植えるので地表からの水分蒸発量は少ない。
いつまでも湿っている土では株元からすぐにカビが生えてきてしまいます。

夏の花を上手に咲かせるには土の水はけが大きなカギを握っています。
ぜひ土のコンディションにも注意を向けてください。
土の水はけを上げて、庭いっぱいに夏の花をたくさん咲かせましょう!