ウッドチップ バークチップのメリット デメリット

ウッドチップとバークチップの違い

ウッドチップとバークチップ。

庭やドッグランに、雑草防止として敷いてあるのを誰もが見たことあるはずです。
ガーデニングでも雑草抑止効果(雑草が発芽しない)だけではなく、土の乾燥や過湿、害虫の土への産卵を防ぐマルチ素材として使われています。
ウッドチップとバークチップは似てはいますが全く違う商品、それぞれの特長もあり、価格も違います。

近年ウッドチップとバークチップはSDGsの観点から、エクステリア、外構業界に注目されています。
私はウッドチップ、バークチップ、両方を使っていますし、周囲にも両方使っている人が多い。
実際使っている人の使い方や使用感を集めてみました。
個人でも購入しやすく、扱いやすいウッドチップとバークチップ。
両者の良い点悪い点を知って、上手に使いこなしてみましょう。

ウッドチップとは

ウッドチップは木材を小さな破片に砕いたもの。上の写真がウッドチップです。
様々な木の端材の再利用として作られていることが多く、私の住む自治体では伐採や剪定した木のウッドチップを無料で配ってくれます。

ウッドチップのメリット

  1. 木屑なので色は明るいベージュ、明るく圧迫感がない
  2. 軽くて扱い易い
  3. バークチップより安いので広範囲に使える
  4. 加工に種類があり、用途によって選べる
  5. 木の種類を選べる、一定期間の防臭・脱臭・防虫・抗菌効果がある
  6. マルチ使用で雑草抑止効果と土に卵を産み付ける害虫を防ぐ効果がある
  7. 自然素材なので土中に埋め込んでしまえば土に還る

ウッドチップのデメリット

  1. 軽いので風で飛ぶ。
  2. 経年劣化するので随時補充が必要
  3. ウッドチップと土との隙間に虫が集まる
  4. 素人が材料に腐った木を混入させて粉砕した1㎝以上の厚みが残るウッドチップなら、シロアリが湧く可能性がある(*市販のものは大丈夫)

バークチップとは?

赤松や黒松などの松の樹皮を砕いたもの。
ガーデニングにはこちらを使うことの方が多く、少量ならホームセンターでも購入可能です。
大量に使うならウッドチップと同じくエクステリアのお店で買う方が割安です。

バークチップのメリット

  1. 樹皮であることから色はウッドチップより濃く、地面に敷いても違和感がない
  2. 一個一個の形が整っていてある程度の大きさがあり高級感がある
  3. ウッドチップより重く風に飛ばされることがない
  4. 樹皮なのでシロアリが巣をつくる心配がない
  5. マルチ使用で雑草抑止効果と土に卵を産み付ける害虫を防ぐ効果がある
  6. 自然素材なので土中に埋め込んでしまえば土に還る

バークチップのデメリット

  1. 吸水性があるので通気性がない場所ではカビが生える
  2. 粒が大きいので雑草抑止効果はウッドチップより低い
  3. ウッドチップより高価
  4. 経年劣化して土に還っていくので随時補充が必要
  5. バークチップと土の隙間に虫が集まる可能性がある

ウッドチップとバークチップの使用感

ウッドチップは正直言って花壇に使うとバークチップより見劣りがしてしまいます。
軽いことから厚くまくと、風で散らばってしまうこともある。
でも花壇じゃないところの雑草防止にはとても便利です。

ガーデニング用途としてはバークチップを使うべきだと思います。
見た目も良く、おしゃれ。
色も落ち着いた地面に溶け込むこげ茶色、花を引き立てます。
バークチップを植栽や花壇のマルチに使うと土の乾燥や過湿を防いでくれます。
水やりの頻度も少なくて済むので、夏のガーデニングに欠かせないアイテムです。

私は裏庭や家庭菜園のマルチには安いウッドチップ使っています。
通気性の悪い屋内に置いてある観葉植物の株元にもウッドチップ。
ウッドチップにはバークチップより湿気に強いのです。
カビ防止の観点から観葉植物にはウッドチップがおススメです。
参考記事 アレルギーの原因!観葉植物のカビ対策

本来なら砂利をいれるべき庭の通路脇の雑草防止にもウッドチップを使っています。
軽いし自分でできるし、好きな時に除けて花を植えることができるのがとても便利。
外構工事で除草シートの上にウッドチップを敷き詰めることを勧めるHPもありますが、場所を選ぶのでプロと相談しながらの方がいいでしょう。

ウッドチップやバークチップにシロアリは発生するのか

ウッドチップにシロアリが湧くという説があります。
結論から言うと、市販品なら心配は無用です。
市販のウッドチップは、巣をつくらない厚さ1cm以下のサイズに粉砕してあります。
プロが作るウッドチップはその辺はちゃんと考慮されています。
シロアリが発生したというのは、素人が放置されて腐った廃木を粉砕機で大きさを考えず、荒く砕いたウッドチップです。
ちゃんとした商品を購入すればシロアリの心配はありません。

バークチップは1cmを超える厚みのものがあります。
でもシロアリは樹皮を食べることはありません。
大きなサイズのバークチップでもシロアリの心配はありません。

バークチップを敷いたからダンゴムシやナメクジが激増するという話にも誇張があります。
もともとダンゴムシやナメクジが多い場所ならバークチップの下に集まってくるのです。
私は定期的に木酢水溶液をまいてこれを防止しています。
ウッドチップの方が土との密着度が高く、バークチップほどダンゴムシは集まりません。
木酢液の匂いは好き嫌いがあるので、家に近い場所に使う時は気をつけて下さい。
バークチップは粒が大きくて扱いやすいので、適当に除けて殺虫剤も使いやすいです。
土をむき出しにしないことから、コガネムシが産卵することもなくなりなす。
根を食い荒らすコガネムシの幼虫は花や野菜の大敵。とても助かっています。

ウッドチップ バークチップはこんな使い方も

犬を飼っておられる家はウッドチップやバークチップを重宝しておられました。
庭にウッドチップで犬の場所をつくっておくと、高齢になり散歩がままならなくなった犬でもトイレがスムーズにできたり、運動させたりできるそうです。
犬の肉球に刺さらないウッドチップを選ぶ配慮が必要なのですが、考慮されたウッドチップがちゃんと何種類もあるそうです。
ウッドチップやバークチップなら、汚れたら土に埋めてしまえばいいし、土を軽く振るって燃えるゴミに出すこともできる。
ガーデニングでは使われることの少ないウッドチップ、足の弱った老犬の強い味方となっていました。

角が丸くて踏んでも痛くないことから、バークチップを花壇のみならず庭で広範囲のグランドカバーに使う方もおられました。
刈込の必要な西洋芝より確かに便利で見た目もいい。
敷き込みも撤収も簡単なので、一時的なグランドカバーには最適だと思いました。

ウッドチップ バークチップで住居の変化に対応しよう

ウッドチップとバークチップの素晴らしい点は撤収が簡単なこと。
撤収が自分でもできるところ、最終的には混ぜ込めば土に還るところです。

私は仕事で住居のご相談をお受けすることが増えています。
いろいろなケースを知るにつれ、つくづく庭は住まいの一部、出来るだけ変化を受け入れる状態にしておかなくてはいけないと感じるようになりました。
参考記事 植えて後悔!シンボルツリーと庭木

庭の段差にスロープを置いたり、上に書いたように老犬のためにトイレを兼ねた運動スペースをつくったりは人も犬も若いうちには考えもしなかったことです。
家族の都合で庭もどんどん変化が必要な時代なのです。

私はガーデニングの時間が取れそうもないシーズンは、雑草除けにバークチップをまいて寄せ植えを置き、とりあえずの花壇替わりにしています。
リフォームに伴い通路を作らなくてはいけなくなったときに、いきなり砂利を敷かずにウッドチップで様子を見、場所と太さを見極めてから業者に頼んだという方もおられました。

とても便利なウッドチップとバークチップ。
ガーデニング以外にももっとどんどん活用できるアイテムではないでしょうか。