要注意!アジサイは有毒植物です

アジサイは草でなく落葉低木

アジサイは「木」です。
アジサイといえば戸建ての裏庭に植えてあるイメージ。
庭木なので放っておいたら大きくなり過ぎる。慌てて植木屋さんに来てもらったなんて言う話を何度か聞いた記憶があります。
アジサイには毒があるので念のため刈込は植木屋さんを頼む家が多かった。
そうです。
アジサイは有毒植物、有毒の落葉低木なのです。
誤って葉や花を食べてしまうと痙攣や嘔吐、めまいなどの食中毒症状がでます。

そのせいでしょうか、昔はアジサイは屋外で鑑賞するものという認識がありました。
花が大きく安定が悪いのもあって切り花にしなかったと思います。
一旦切ってしまうと花色の変化が楽しめないというのもあるでしょう。
アジサイを盆栽にする通人もおられますが、あれも雨の日に屋外で楽しむものです。

ですがここ数年で全く事情が変わってきました。

ヒット商品となった「室内用鉢植えアジサイ」

鉢植えアジサイは昔からあります。
低木とはいえ地植えすると身長を超えるほど大きくなるアジサイを手軽に楽しむためです。
定期的にブームとなるヤマアジサイも鉢植えで育てている人の方が多いのではないでしょうか。
でもこれらの鉢植えはあくまでも屋外で鑑賞するための鉢植えです。

ここ数年、母の日あたりから綺麗にラッピングされた室内管理を前提としたアジサイの鉢植えが出回るようになりました。
矮化処理がされており、草丈が短いのに大きな花がついて豪華で可愛い鉢植えです。
切り花感覚で楽しめるアジサイの鉢植え、大ヒットと聞きそれは当然だと思いました。

室内管理のアジサイの鉢植えはヒット商品として販路が広がり、ギフト商品として雑貨店で販売されることも増えました。
「お菓子と鉢植えアジサイのギフトセット」などという組み合わせ販売なども行われています。
このこと自体に何ら問題はありません。

ただ、アジサイは有毒植物であるという大事なポイントが置き去りになっている気がします。
販売時にアジサイは有毒植物であるという注意喚起はなされているのでしょうか。
小さなお子さんや室内ペットがいるかもしれないご家庭への説明責任が考えられているのでしょうか。

実際に起きたアジサイの食中毒

アジサイが有毒植物であるという情報が徹底しないがために起きた食中毒もあります。
料理店がアジサイの葉を盛り付けの装飾に使い、それを食べた人に嘔吐、吐き気、めまいなどの食中毒症状がでた事例が厚生労働省のサイトに記載さてています。

下の写真がアジサイの葉です。
厚みがあり、アジサイは虫による食害もないので(毒があるから)きれいで大きい。
確かにお皿に添えると料理が美味しく見えそうですが絶対にやってはいけません。

これは料理店が発端となった食中毒のため、ちゃんとした原因解明がなされています。
でも巷で起こる食中毒って原因がうやむやになってしまうことありませんか?
実際はアジサイの食中毒はもっとあるのではないでしょうか。

葉を間違えて起きたアジサイの食中毒も

高齢者がアジサイの葉と紫蘇を間違って食べてしまったため起きた食中毒の事例を聞きました。
下の写真にアジサイと紫蘇を並べて置いてみました。
右がアジサイで左が紫蘇です。
全然違うやん!と思われますか?
私は自分だったらあわてて晩ご飯を作っているときこの間違いをやりかねないと思いました。

アジサイと紫蘇は並んで植えられていたそうです。
まずここから注意すべきであったと思います。
これを高齢者だけの問題としてしまっては絶対にいけません。
判断力が鈍る時は誰にでもあります。

不特定多数の人がいる場所のアジサイに注意

せっかく飾ってあるアジサイに「これ毒があるよ!」と言うのは勇気が必要です。
そのことを理解して飾っておられる場合もあるでしょう。
でもその場所が不特定多数の人が飲食する可能性のある場所なら、花や葉を触った手をお口にもっていくような小さなお子さんが来る場所なら、やはりアジサイが有毒植物であることに言及し、周知しておくべきだと思います。

アジサイが飾られる季節は梅雨から夏の食中毒の季節と重なります。
腐敗による食中毒にはみんな神経を尖らせていますが、有毒植物の誤食については考えない。
これは盲点ではないでしょうか。
起きてしまったら一秒でもはやく正確な原因特定が必要とされる食中毒。
アジサイの有毒性についての情報を是非みんなと共有したいと考えています。