【園芸用語】多年草・宿根草・常緑多年草・一年草とは?

多年草・宿根草・常緑多年草・一年草

園芸用語っていろいろあります。
漢字でなんとなく意味が分かる…というか推理する。
私を含めてほとんどの人はそんなものだと思います。
でもざっくりした理解だと、育てて時間がたってから、あれ?思ってたのと違う…となりかねません。

同じ園芸用語でも、学者さんとガーデニング業界とでは、微妙に使用するニュアンスが違います。
その草花がどうなのか?と、うちの庭ではどうなのか?の違い。
私たちが知りたいのは、その草花の本来の性質はどうであれ、うちの庭ではどう育つのか?です。
論文を書くわけじゃなくて、イメージ通りの花苗を買う情報としての園芸用語が知りたい。
そんな園芸用語の代表が以下の4語です。

「多年草」「宿根草」「常緑多年草」「一年草」をおさえておきましょう。

多年草とは?

多年草とは、一度定植すると毎年花を咲かせ、数年以上生き続ける草花のことです。
種で増えようが球根で増えようが関係ありません。

寿命が長く植えっぱなしにできる多年草は、ガーデニングには欠かせない存在です。
日本の気候に適応し、毎年花を咲かせてくれます。
年ごとに大株になっていくのも頼もしいところです。

多年草は木ではなく草花、ここが意外と大事です。
最近は小さく育つように品種改良された低木も、花苗として売られています。
本来は木なのに「多年草」とラベル記載されていることが多い。
小さいまま育ってくれれば良いのですが、数年後には大きく育ち過ぎ、いわゆる草花とはかけ離れたイメージになるものもあります。
そうなると根が深く張ってしまい、抜くのも大変です。
多年草を買う時は、品種名の後ろに「低木」と書かれていないか確認しておきましょう。

宿根草とは?

宿根草は、多年草の種類の一つ。
何年も生き続けますが、一年のうちに地上部が消えたり枯れたりする期間がある草花を宿根草といいます。
宿根草は多年草ですが、多年草のすべてが宿根草ではありません。

雑草のドクダミがなくなったと喜んでいても、春になると一気に生えてきますよね。
ドクダミは宿根草なのです。

宿根草の大事なポイントは、一定期間地上部に何もなくなったり、枯草になったりする時期があるということです。
一年のうち何か月かは殺風景この上なしの期間があるということ。
でもその場所には根や球根が残っているので、殺風景であっても掘り返して他の花を植えるわけにはいきません。

宿根草を花壇や寄せ植えのメインの場所に植えてしまうと、見栄えのしない時期が長く続いてしまいます。

常緑多年草とは?

常緑多年草も多年草の種類の一つです。
常緑多年草は宿根草と違い、一年中葉が緑のままで枯れ込む時期がありません。
一度植えると、葉は常に緑のまま存在してくれます。
最近は常緑草と略されて表記されることもあります。

宿根イベリスやマーガレット、スーパーアリッサムが代表的な常緑多年草となります。
ガーデニングで最も重宝なのが常緑多年草です。
常緑多年草はニーズが最も大きいので、品種改良もとても活発。
常緑でありながら、より花期も長いものが毎年新しく発売されています。

クリスマスローズのように、同じ花であっても品種によって宿根草と常緑多年草に分かれる場合があります。
常緑多年草の人気が高いがことから、もともとは宿根草であった花を常緑化する品種改良が常に行われています。
一年草(後述)を常緑多年草とする品種改良も盛んです。

一年草とは?

一年サイクルで花を咲かせ、種を作り、枯れていく草花を一年草と呼びます。
種で次の世代を引き継いでいく草花です。

パンジービオラ、ポーチュラカ、鶏頭、朝顔などがよく知られる一年草となります。
家で種取りし、何年も栽培を続けている方も多いのではないでしょうか?
種が取りやすいせいか、苗も安価で出回ります。
私は毎年新しい花色の苗を買うことを楽しみにしています。

ややこしいのは、一年草って条件が整うと枯れないことがあるんです。
外国から来た花は、本国では多年草であるれけど、日本の気候では冬越し(もしくは夏越し)できず、一年で枯れることがある。
そういった草花も、日本で出回る苗のラベルには一年草と表記されます。
ガーデニング業界では本来はどうであれ、日本で育てるなら花後撤収した方が簡単ですよ、という草花が一年草なのです。

一年草の苗は、植えてすぐに花が咲きます。
寄せ植えや花壇に多年草ばかり植えてしまうと、花の見どころが限られてしまいます。
そこに一年草を加えることで、バリエーションにとんだ花を楽しむことができるようになります。
花を消耗品として扱うみたいで、抵抗がある方もおられるかもしれません。
けれどそれは間違いです。
お部屋に飾る切り花を買うように、お庭を飾る花を楽しむのが一年草です。

四季による変化を考慮する

長く成長を見守る多年草と、短く数多くの花を楽しむ一年草。
条件が揃えば、とか、植物のプロが育てれば、ではなく、一般にガーデニングを楽しむことにおいては、が基準となります。

植物は花壇や寄せ植えをする時は、長期的にどう変わるのかをざっくり考えておきましょう。
せっかくガーデニングを頑張っても、多年草に偏って、花が咲くのは春だけだったり、秋冬は枯草ばっかりだとがっくりしてしまいます。
かといって一年草ばかりにすると、常に撤収と定植に追い立てられてしまいます。

多年草、宿根草、常緑多年草、一年草のバランスを考えて、庭と自分にあったガーデニングを楽しみましょう。
いろいろな性質の草花を育てることがガーデニング上達の秘訣です。
手抜きしたいときはグロ子おススメの常緑多年草も忘れないで下さい。

「多年草」「宿根草」「常緑多年草」「一年草」を意識して花苗を購入すると、イメージ通りのガーデニングが堪能できます。